Linuxを使う上で避けては通れないターミナル操作。
今回は、初心者向けに、
・ターミナルとは何か
・ターミナルでできること
・ターミナルの基本的な使い方
を紹介したいと思います。
Linuxを普段使いしている場合はターミナルをほとんど使いませんが、たまに使います。
たまに使うからこそ、基本的な使い方は知っておかないと、いざ必要になった時に使い方から調べなくてはなりません。
使い方自体は簡単ですぐに覚えられますので、この記事を読んで覚えていってください。
なお、ターミナルで使用するコマンドについては、この記事では紹介していません。
別の記事でコマンドについては紹介しています。
本文の途中でコマンドについての記事を紹介していますので、コマンドを知りたい方は、そちらのリンクからご覧ください。
Linuxターミナルとは
ターミナルとは簡単にいうと、映画などでハッカーが操作している文字を打ち込んで操作しているウィンドウ画面みたいなものです。
ZorinOSのターミナルはこんな感じで、どのディストリビューションでも基本的な見た目はほとんど一緒です。
ここにコマンドを入力したりして色々な操作を行います。
ちなみに、
・Linuxのターミナルのようにキーボードだけを使う方式をCUI(Character User Interface)
・Windowsのようにマウスも使う方式をGUI(Graphical User Interface)
といいます。
上記は本当にザックリとした説明ですが、Linuxについて調べていると、ときどきGUIやCUIという単語が出てきますので、なんとなく覚えておいてください。
Linuxターミナルでできること
ターミナルでできることは、
・コマンドの入力と実行
・テキストエディタの起動と操作
・アプリケーションの実行
の3つです。
たった3つと思うかもしれませんが、この3つでほとんどのことができてしまいます。
コマンドの入力と実行
コマンドとはOSやアプリケーションに対する命令のことで、ターミナルにコマンドを入力して色々な操作を行いますが、できることとできないことがあります。
【できること】
・ファイルやディレクトリの操作(作成、削除、移動、コピーなど)
・ファイルの内容の表示、編集、検索
・システムの情報の表示(CPU使用率、メモリ使用量など)
・ネットワークの操作(ping、traceroute、wgetなど)
・システムの管理(ユーザーの作成、権限の設定、パッケージのインストール・アンインストールなど)
【できないこと】
・GUIアプリケーションの操作
Linuxコマンドは、ターミナル上での作業に特化しているので、GUIアプリケーションの操作には向いていませんが、それ以外のことはほとんどできます。
しかも、GUIのようなグラフィカルな表示をするためにメモリを消費しないので、動作が軽くなり、処理が早くなったり、低スペックマシンでも動作するというメリットがあります。
テキストエディタの起動と操作
テキストエディタとは、Windowsのメモ帳みたいなものですが、Linuxではこのテキストエディタを使って、OSやアプリケーションの色々な設定変更やプログラミングもできてしまいます。
Linuxターミナルで使える代表的なテキストエディタには、
・Vi(Vim)
・Emacs
・Nano
・Gedit(GNOMEデスクトップ環境に付属)
というものがありますが、ViもしくはVimがどのLinuxディストリビューションには標準搭載されています。
ViとVimの使い方については、以下の記事で紹介していますので、そちらをご覧ください。
アプリの実行
Linuxには、ターミナル内で動作するアプリケーションがたくさんあります。
例えば、
Vi(Vim): テキストエディタ
GNU Emacs: テキストエディタ
Mutt:メールクライアントソフト
Midnight Commander: ファイルマネージャー
Moc:音楽プレイヤー
terminator:一つのウィンドウに複数の端末を表示することができる端末エミュレーター
htop: プロセス管理ツール
などです。
その他にもたくさんあり、コマンドだけではできない作業などを補ってくれます。
Linuxターミナルの基本的な使い方
冒頭でも紹介した通り、ターミナルの操作自体はとても簡単です。
ターミナルの起動方法
ターミナルの起動方法は、起動時に開くディレクトリによって2つに分けられます。
ひとつは、ホームディレクトリで開く起動方法。
もうひとつは、任意のディレクトリで開く起動方法です。
ホームディレクトリで開くターミナル起動方法
ターミナルを使うとき、多くの場合はこの方法でターミナルを起動します。
ホームディレクトリというのは、ユーザーがログインしたときに自動的に開いてるディレクトリのことで、rootディレクトリ直下のhomeディレクトリ内にあるログインしたユーザー名のディレクトリ(/home/ユーザー名)です。
このため、ターミナルのコマンドライン(コマンドを入力したりする部分)の$の左側には、
「ユーザー名@ホスト名:~」が表示されます。
ユーザー名は、Linuxをインストールしたときに入力した「あなたの名前」で、
/homeディレクトリ内にあるディレクトリ名でもあります。
ホスト名は、Linuxをインストールしたときに入力した「コンピュターの名前」です。
次の「:」と「$」の間には「開いているディレクトリのパス」が表示されていて、「~」が、ホームディレクトリを示しています。
ホームディレクトリで開く起動方法は以下の3つ。
・パネルにあるアイコンをクリック
・メニュー内にあるアイコンをクリック
・「Ctrl」+「Alt」+「T」キーを押す
たぶん、一番手軽にターミナルを起動する方法は「パネルにあるアイコンをクリック」する方法です。
Linux mintやZorinOSの場合、デスクトップ下部のパネル(Windowsでいうところのタスクバー)にターミナルのアイコン(下の画像の赤丸に囲まれているアイコン)がありますので、ここをクリックすればターミナルが起動します。
一番面倒くさいのが、「メニュー内にあるアイコンをクリック」する方法です。
パネルの一番左にあるっメニューボタンをクリックして表示されたメニューから「アクセサリ」を選択すると表示されるアイコンの中にあるターミナルのアイコンをクリックすれば起動します。
この方法で起動までに手間がかかるので、まあ使うことはありません。
もうひとつの「「Ctrl」+「Alt」+「T」キーを押す」方法は、操作自体は簡単ですが、タッチタイピングしづらいので、やはり「パネルにあるアイコンをクリック」する方法がおすすめです。
任意のディレクトリで開くターミナル起動方法
・特定のディレクトリ内にあるファイルを操作する
・特定のディレクトリ内にファイルを作成する
というときに便利な起動方法です。
1.ファイルマネージャーを起動
2.ファイルマネージャーで目的のディレクトリを開く
3.ファイルマネージャーでファイルが表示される領域の空いている場所で右クリック
4.表示されたメニューから「ここでターミナルを開く」をクリック
という手順で開きます。
試しにDocumentsディレクトリでターミナルを起動すると、コマンドラインの先頭の「:」と「$」の間の「開いているディレクトリのパス」の部分が「~/Dochuments」と表示されます。
ホームディレクトリで開く方法でターミナルを起動し、コマンドで目的のディレクトリに移動するのは結構面倒くさいので、特定のディレクトリでターミナルを使って作業する場合は、この方法をおすすめします。
コマンドの入力方法
ターミナルを起動したら、コマンドを入力したりして操作をします。
下の画像の$の右側にある白い四角がカーソルで、コマンドを入力すると、そこを先頭に入力したコマンドが表示されます。
入力が終わったら「Ent」キーを押すだけです。
コマンドがいろいろな機能を実行させるもののため、いろいろな操作をしても、人の動きとしては「コマンドを入力して実行」の繰り返しが基本となります。
なお、ターミナルで何回かコマンドを実行した後、「↑」キーを押すと、ひとつ前に実行したコマンドが表示されます。
もう1回「↑」キーを押すと、さらにひとつ前のコマンドが表示されます。
何回も同じコマンドを使う場合や、コマンドを打ったけど入力ミスがあって実行されなかった場合に、再表示して入力ミスの部分だけ修正して実行するといった場合に便利です。
冒頭で書いた通り、ターミナルで使用するコマンドについては、この記事では紹介していませんが、別の記事で各コマンドについて紹介しています。
もし、最小限のコマンドだけ知りたいという方は、以下の記事で紹介していますので、そちらも良かったらご覧ください。
もうちょっとしっかりコマンドを知りたいという方は、以下の記事で「Linux標準教科書」という本で「基本的なコマンド」として紹介されているコマンド+αを記事にしていますので、そちらをご覧ください。
「Linux標準教科書」でお勉強(第3章 基本的なコマンド)
「Linux標準教科書」でお勉強(第5章 その1)touch・head・tail
「Linux標準教科書」でお勉強(第5章 その2)sort、uniq、tr
ターミナルでマウスを使ってコピペが可能。
ターミナルはキーボード入力で操作を行うもののため、マウスが使えないように感じますが、実はそうではありません。
ターミナルの画面上に表示された文字列をマウスで範囲設定してコピーし、コマンドラインや、Googleドキュメントなどに貼り付けたりできます。
逆に、別のアプリファイルに保存してあった文字列をコピーして、それをターミナルのコマンドラインに貼り付けることも可能です。
操作は、他のアプリと同じです。
・ターミナルで調べた情報を別のところに保存したい
・別で保存してあったよく使う長いコマンドをコピペして使いたい
・ターミナルで表示されたエラーメッセージをネット(ブラウザ)で調べたい
といったときに便利です。
また、ターミナルの上部にはメニューバーが表示されているのですが、その操作もマウスで行います。
まとめ
Linuxを使う上で避けては通れないターミナル操作について、今回は、初心者向けに、
・ターミナルとは何か
・ターミナルでできること
・ターミナルの基本的な使い方
を紹介しました。
Linuxを普段使いしている場合はターミナルをほとんど使いませんが、たまに使います。
たまに使うからこそ、基本的な使い方は知っておかないと、いざ必要になった時に使い方から調べなくてはなりません。
使い方自体は簡単ですぐに覚えられますので、この記事を読んで覚えていってください。