Windowsユーザーが初めてUbuntuを使うと、デスクトップ画面の見た目が違い、最初は戸惑うかもしれません。
そこで今回は、Ubuntu 24.04.1 LTSの基本的な使い方を紹介したいと思います。
この記事を読めば、Ubuntuの操作がそれほど難しくないことが、わかっていただけるはず。
Ubuntuはとても人気のあるLinuxディストリビューションで、日本でもユーザーが多く、ネットにも情報がたくさんあるので、知りたいことを探すのも比較的簡単なため、Windows風にこだわらなければ、おすすめのディストリビューションです。
あなたのLinuxディストリビューション選びの参考になれば幸いです。
Ubuntu 24.04.1 LTSのデスクトップ画面の各パーツの名称と役割
Ubuntu 24.04.1 LTSのデスクトップ画面の各パーツの名称と役割を紹介します。
デスクトップ画面の各パーツの名称は以下の通り。
ざっくり言うと、画面上部には「トップバー」があり、「トップバー」の中には、
・左側には「ワークスペーススイッチャー」
・中央には「カレンダー」
・右側には「入力モード」と「システムメニュー」
が配置されています。
そして、画面左側には「ドック」があり、その中には、
・上部にはよく使うアプリのショートカットアイコン
・一番下には「ダッシュ(アクティ日ディオーバービュー)」
が配置されています。
「ワークスペーススイッチャー」
トップバー左側にある「ー・」は、「ワークスペーススイッチャー」です。
Linuxには、デスクトップを複数作成できる「ワークスペース」という機能があり、作成した複数の「ワークスペース」を切り替えるのが「ワークスペーススイッチャー」です。
Windows 11の「タスクビュー」と同じような機能で、仕事用に開いたアプリとブラウザやメールアプリを別々のワークスペースで起動しておくことで、用途別にデスクトップを整理することが可能になります。
「ワークスペーススイッチャー」アイコンをクリックすると「ワークスペーススイッチャー」が開くので、そこで、「ワークスペース」の追加や切り替えができます。
「ワークスペース」は常に1つ空のデスクトップが用意されており、「ワークスペーススイッチャー」を開くと、現在開いている「ワークスペース」が中央に表示され、Ubuntu起動時にはその右側に空の「ワークスペース」が表示されています。
空の「ワークスペース」の画像をクリックすると、空の「ワークスペース」が中央に表示されるので、再度クリックすることで「ワークスペース」を切り替えることができます。
なお、「Windowsキー」+「Tabキー」で「ワークスペース」を切り替えることも可能です。
ちなみに、Ubuntuを起動した時点で「ワークスペース」は2つあり、トップバーの「ー・」というアイコンは、2つのうちの左側の「ワークスペース」が現在表示されていることを意味しています。
「通知」「カレンダー」「世界時計」
デスクトップ画面のトップバー中央にある日付と時間が表示されている部分をクリックすると、「通知」「カレンダー」「世界時計」が表示されます。
「カレンダー」の下に「今日」という枠をクリックすると、アプリの「カレンダー」が開きます。
アプリの「カレンダー」は画面左下にある「ダッシュ」からも開くことができるので、スケジュール管理もUbuntuで行いたい方は、使いやすい方をお使いください。
「入力モード」
デスクトップ画面のトップバー左側にある「ja」をクリックすると、「入力モード」の切り替えメニューが表示されます。
ここで、英語入力と日本語入力の切り替えができます。
英語入力と日本語入力の切り替えは、「半角/全角」キーで簡単にできますので、このメニューを開いて切り替えることはほとんどありません。
ただ、英語入力モードのときは「ja」に、日本語入力モードのときは「あ」に表示が変わるので、今の入力モードが英語なのか日本語なのか確認するのに便利です。
なお、Ubuntu 24.04.1 LTSのインストール直後の日本語入力設定もここで行います。
以下のページに日本語入力設定の方法を紹介していますので、Ubuntu 24.04.1 LTSのインストール直後の日本語入力設定の方法を知りたい方は、そちらもご覧ください。
「システムメニュー」
デスクトップ画面のトップバー左側にある3つのアイコンは1つのグループになっており、3つのアイコンのどれをクリックしても「システムメニュー」が表示されます。
メニュー上部のアイコンは、左から
・「キャプチャー(プリントスクリーン)」
・「設定(Ubuntuの設定画面)」
・「画面のロック」
・「電源の管理(電源OFFや再起動など)」
がクリックすると開きます。
その下にはスピーカーの音量変更バー。
さらにその下にあるボタンは、左から
・ネットワークへの接続モード
・電源モード(クリックするとモード切り替え)
・Dark Style(クリックするとダークモード切り替え)
が表示されています。
この中で一番使うのは「電源の管理」です。
パソコンを切るときに必ず使います。
その他に使用頻度が高いのは、音量変更バーとDark Styleでしょうか。
パソコンを持ち出して外で使いたい方は、「画面のロック」が便利です。
「ドック(Dock)」と「ダッシュ(Dash)」
デスクトップ画面左側にあるバーは「ドック(Dock)」といい、アプリのショートカットアイコンなどが表示されています。
そして、「ドック(Dock)」の一番下、デスクトップ画面の一番左下にあるUbuntuのロゴは「ダッシュ(Dash)」といい、「アクティビティオーバービュー」ともいいます。
ここをクリックすると、「検索窓」「ワークスペース」「インストールされているアプリの一覧(アイコン)」が表示されます。
このアプリのアイコンを右クリックして表示されたメニューの「ダッシュボードにピン留め」をクリックすると、「ドック(Dock)」にアプリのアイコンが追加されます。
逆に、「ドック(Dock)」にあるアプリのアイコンを右クリックして「ピン留を外す」をクリックすると、「ドック(Dock)」からアイコンが消えます。
「デスクトップアイコン」
デスクトップ画面右下に「ホーム」となっているアイコンは、クリックするとhomeディレクトリをファイルマネージャーで開きます。
デスクトップ画面内には、Windowsのショートカットアイコンと同じ役割のデスクトップアイコンを貼り付けることが可能です。
ただ、デスクトップアイコンの作成がWindowsにくらべてかなり難しいので、おすすめしません。
「ドック(Dock)」にあるアプリのアイコンや、「ダッシュ(Dash)」からアプリを起動する方が簡単です。
「ファイルマネージャー」の使い方
Windowsのエクスプローラー(ファイルエクスプローラー)と同じ機能なのが、「ファイルマネージャー」です。
「ファイルマネージャー」は「ドック(Dock)」の上から3番めにあるアイコンをクリックするか、デスクトップ画面右下にある「ホーム」のショートカットアイコンをダブルクリックすることで開きます。
「ファイルマネージャー」のウィンドウの左側上の「ファイル」という表示の右側にある三本線をクリックすると、「ファイルマネージャー」の設定画面が開きます。
そこにある「一覧表示でフォルダーをツリー表示可能にする」をONにすると、「ファイルマネージャー」の右画面でツリー表示ができるようになります。
試しに「Documents」フォルダに「test」というフォルダを作り、その中に「text1」「text2」というファイルを作成してから、一覧表示したのが以下の画像。
Windowsのエクスプローラーとは表示形式が違いますので、使いづらいと感じる方もいるとは思いますが、すぐに慣れます。
アプリの起動方法
Ubuntu 24.04.1 LTSでは、「ドック(Dock)」にあるアイコンもしくは、「ダッシュ(Dash)」を開いて表示されたアイコンをクリックすることでアプリの起動が可能です。
アプリを新しくインストールすると「ダッシュ(Dash)」にアイコンが追加されます。
先ほども紹介しましたとおり、「ダッシュ(Dash)」にあるアイコンを右クリックして表示されたメニューの「ダッシュボードにピン留め」をクリックすると、「ドック(Dock)」にアプリのアイコンが追加されます。
逆に、「ドック(Dock)」にあるアプリのアイコンを右クリックして「ピン留を外す」をクリックすると、「ドック(Dock)」からアイコンが消えます。
Linuxではもうひとつ、ターミナル(端末)からコマンドを使ってアプリを起動する方法がありますが、起動するアプリのターミナルで認識する名称を正確に記憶し、入力する必要があるので面倒くさいです。
コマンド入力にこだわりがないなら、「ドック(Dock)」や「ダッシュ(Dash)」からアプリを起動しましょう。
ちなみに、ターミナル(端末)は「ダッシュ(Dash)」から以外に、「Windows」キー+「T」というショートカットキーでも起動できます。
コマンド入力が必要な時には、ショートカットキーの方が簡単なので、覚えておくと幸せになります。
ターミナルの基本的な使い方は以下のページで紹介しているので、そちらもご覧ください。
アプリのインストールとアップデート、アンインストール
アプリのインストールとアップデート、アンインストールは、「ドック(Dock)」の上から6番目のアイコン(アプリセンター)から行います。
ここでは、画像編集アプリのGIMPを例に説明していきます。
アプリのインストール
まずは、アプリセンターの上部にある「アプリを検索」に名前を入力して検索したり、左側のカテゴリを使ったりしてアプリを見つけます。
ここでは、「アプリを検索」に「GIMP」と入力して検索します。
検索結果の中央に「フィルター」とあり、その右に「Snap パッケージ」と表示されており、そこをクリックすると、「Debian パッケージ」と選択できるようになっています。
「Debian パッケージ」は、古くからあるパッケージ管理システムで使われるパッケージ形式のことで、安定性が高く、取り扱っているアプリ(パッケージ)の数も膨大です。
しかし、「依存関係」という、アプリを動かすのに必要な設定ファイルやライブラリをLinuxディストリビューションや、他のアプリが使用しているものを使用したりている関係で不具合をおこし、アプリやシステムが正常に動作しなくなるという問題が発生することがあります。
「Snap パッケージ」は、比較的新しいパッケージ形式で、アプリを動かすのに必要な設置ファイルやライブラリも一緒に、Linuxディストリビューションのシステムとは隔離してインストールするので、「Debianパッケージ」のような「依存関係」による問題が発生しません。
しかし、アプリをインストールするごとに、設定ファイルやライブラリもインストールされるため、「Debian パッケージ」でインストールしたときより空き容量が必要になります。
また、「Debian パッケージ」よりも取り扱っているアプリの数が少ないため、「Snap パッケージ」では目的のアプリを見つけられない場合があります。
Ubuntu 24.04.1 LTSのアプリセンターでは、両方のパッケージ形式で取り扱っているときしかパッケージ形式を選択できないので、もし選択できるようになっていたら、上記の特徴を理解して選択しましょう。
見つけたアプリの枠内をクリックすると、アプリの詳細画面が開くので、「インストール」ボタンをクリック。
「認証が必要です」が表示されるので、自分のログインパスワードを入力して「認証」をクリックすると、インストールが始まります。
先ほどの「インストール」ボタンが「起動」に変わったら、インストール完了です。
ここで「起動」ボタンをクリックしてもGIMPは起動しますが、通常は「ダッシュ(Dash)」から起動しますので、そちらを見てみると、GIMPのアイコンが表示されています。
以降はここから起動しましょう。
アプリのアップデート
アプリのアップデートも「アプリセンター」から行います。
「アプリセンター」の左側のメニューの下の方にある「管理」をクリックすると、アップデート情報が表示されます。
「〜個のアップデートがあります」の右側にある「すべてをアップデート」ボタンをクリックすると、その下にあるアップデートが必要なアプリすべてのアップデートが実行されます。
また、アップデートが必要なアプリの右側にある「アップデート」ボタンをクリックすると、個別にアップデートができます。
アプリのアンインストール
アプリのアンインストールも「アプリセンター」から行います。
まず、「アプリセンター」でGIMPを検索して詳細画面を表示します。
詳細画面の「起動」ボタンの右にある「・・・」ボタンをクリックすると「アンインストール」が表示されるので、それをクリック。
「認証が必要です」が表示されるので、自分のログインパスワードを入力して「認証」をクリックすると、アンインストールが始まります。
詳細画面の「起動」ボタンが「インストール」に変わったら、アンインストール完了です。
まとめ
今回は、Ubuntu 24.04.1 LTSの基本的な使い方を紹介しました。
Ubuntuのデスクトップ画面は、Windowsの見た目とは違うため、難しそうに見えてしまいます。
しかし、この記事を読んで、Ubuntuの操作がそれほど難しくないことが、わかっていただけたと思います。
Ubuntuはとても人気のあるLinuxディストリビューションで、日本でもユーザーが多く、ネットにも情報がたくさんあるので、知りたいことを探すのも比較的簡単なため、Windows風にこだわらなければ、おすすめのディストリビューションです。
見た目の違いだけであきらめるのは勿体ないです。
あなたのLinuxディストリビューション選びの参考になれば幸いです。