インターネットを使っていて、パソコンがウィルスやハッカーから攻撃されることがあります。
そんなときに役立つのが、ファイアウォールというソフトウェアです。
今回は、私が普段使いしているZorinOSに標準搭載されているファイアウォールのGufwを設定しましたので、みなさんに情報共有をしたいと思います。
Linuxはセキュリティ対策が不要と言われたりするほど安全性の高いOSですが、度々、Linuxを標的としたマルウェア(悪意のあるソフトウェア)が発見されたというニュースを目にします。
また、ここ何年かで同様のニュースが増えたような気がしたので、設定してみました。
Linuxを使い始めて7年がたちますが、ファイアウォールを設定したのは今回が初めてですので、初心者の方にも分かりやすいと思います。
もともとインストールされているファイアウォールの設定をするだけでお手軽にセキュリティを強化できますので、ぜひ試してみてください。
ファイアウォールって何?なぜ必要なの?
ファイアウォールとは、インターネットに接続されたパソコンのネットワーク通信を監視し、ウィルスやハッカーからの不正なアクセスや攻撃を防止する仕組みです。
ファイアウォールは、ルータなどの機器に組み込まれていたり、ソフトウェアをインストールして使ったりしますが、ここで紹介するファイアウォールはソフトウェアの方で、実際に操作するのはGufwというソフトウェアです。
このファイアウォールがなぜ必要かというと、自分のパソコンを外部からの攻撃から守るためです。
インターネットに接続されたパソコンは、外部からの攻撃を受けやすく、ウィルスやマルウェア(悪意のあるソフトウェア)に感染する可能性があります。
特に、ハッカーによる攻撃を受けた場合、個人情報を抜かれたり、データを勝手に暗号化されて身代金を要求されたり、被害は深刻です。
これを防ぐには、外部からの不正なアクセスや通信をブロックする必要があり、その役割をするのがファイアウォールという訳です。
Gufwって何?
Gufwは、Linux MintやZorinOSに標準搭載されています。
実はこれ、ファイアウォールそのものではなく「ファイアウォールを簡単に設定するためのツール」なんです。
ファイアウォール本体はiptablesといい、やろうと思えば、ほぼありとあらゆるファイアウォールとして必要な設定ができるという高性能なソフトウェアです。
しかし、iptablesを操作するには専門知識が必要で難しいため、これをGUI(マウス操作)で簡単に設定できるようにするためのツールが、Gufwという訳です。
このGufwを使うことにより、事前に定義されたルールを使って簡単に設定できたり、個別に設定を変更するときには確認ウィンドウが表示されて、設定に間違いがないか確認することができるため、初心者がファイアウォールを設定するのにおすすめなツールとなっています。
Gufwが標準搭載されていないディストリビューションをお使いの場合でも、ソフトウェアマネージャーからインストールできますので、試してみてください。
Gufwの使い方と基本的な設定は?
ZorinOS Liteの場合、メニューから「設定」を選択し、表示された項目の中から「ファイアウォール設定ツール」をクリックするとGufwが起動します。
Linux Mintやその他のGufwが標準搭載されているディストリビューションでも、メニューから「ファイアウォール設定ツール」に似た名称の項目を探してクリックすればGufwが起動するはずです。
Gufwの見た目は下の画像の通り。
初期状態では、盾のエンブレムがグレーになっており、作動していません。
「最初から作動していれれば面倒くさくなくて良いのに」と思うかもしれませんが、最初からファイアウォールが設定されていると、自分が使いたいサービスなどが意図せずに遮断されてしまったりするので、それを防止するために初期状態ではオフになっているそうです。
ファイアウォール(Gufw)をONにする方法
初期状態では作動していないファイアウォール(Gufw)は、盾のエンブレムの左にある「Status」という項目のスライダーをクリックすると作動します。
作動させると、下の画像の通りスライダーの黒丸が移動し、盾のエンブレルがカラー表示に切り替わります。
Gufwの基本的な設定は3つのプロファイルの選択
Gufwには3つのプロファイルがあらかじめ用意されていて、そのうちのどれかを選択することにより、各プロファイルに定義されているパターンで設定してくれます。
プロファイルの選択は、Gufwウィンドウの「プロファイル」という項目からできます。
上の画像で「自宅」となっている部分をクリックし、表示された3つの選択肢のうちの1つをクリックすれば、選択完了です。
3つのプロファイルの設定パターンを表にまとめてみました。
会社 | パブリック | 自宅 | |
Incoming (受信) | Deny (通信拒否) | Reject (通信拒否&送信者 へ拒否を通知) | Deny (通信拒否) |
Outgoing (送信) | Allow (通信許可) | Allow (通信許可) | Allow (通信許可) |
Incomingは受信で、自分から他のコンピューターに通信することです。
Outputingは送信で、他のコンピューターから自分に通信することです。
そして、
Denyは通信を拒否する設定で、
Allowは通信を許可する設定です。
RejectはDenyと同様に通信を拒否しますが、それと同時に、送信者へ拒否の通知を行います。
表を見ると、「会社」と「自宅」の設定パターンは一緒なので、自宅で使う場合はどちらでもよさそうですが、紛らわしいので私は「自宅」を選択しています。
「自宅」の場合、IncomingはDenyになっており、OutgoingはAllowになってます。
自分から他のコンピュータに通信することは可能ですが、
他のコンピュータから自分に向けて通信することはできない
という設定パターンということです。
これだと、受信を拒否するのでインターネットが見れないのでは無いかと心配iになる方もいるかもしれませんが、それは心配ありません。
実際に私は設定していますが、普通にサイトは表示されます。
ただネットサーフィンするだけなら、設定していない時と変わりが無いように感じます。
そこらへんは問題ないようにできています。
Gufwではプロファイル以外にさらに細かく設定することも可能
Gufwでは、先ほど紹介したプロファイルの選択による設定以外に、もっと細かく設定することも可能ですが、ある程度専門知識が必要なので、普段使いのレベルならそこまで設定する必要はありません。
というか無理です。
設定するには、Gufwウィンドウの中央よりちょっと下にある「ルール」というところをクリックして、表示された設定画面の左下にある「+」をクリックして設定を追加していきます。
「+」をクリックすると、以下の設定画面が表示されます。
なんだか触ったら変なことになりそうな怖い画面ですよね。
Windowsの代わりにLinuxを普段使いしているような私には怖くて触れません。
色々検索してみましたが、サーバーを作ったりと専門的な使用方法でなければ、細かい設定は必要になったときにやれば良いそうなので、今は放置することにしました。
まとめ
今回は、ウィルスやハッカーからの攻撃から守ってくれるファイアウォールを設定したので、紹介しました。
ZorinOSにはiptablesというファイアウォールと、Gufwというファイアウォール設定ツールが標準搭載されており、Gufwを使って今回は設定しました。
Gufwではファイアウォールを作動させて、3つのプロファイル(設定パターン)から「自宅」を選択すれば、普段使いのLinuxなら充分な設定が完了します。
わざわざインストールする必要もなく、基本的な設定なら簡単にできますので、ウィルスやハッカーからの攻撃が心配な方は、セキュリティ強化の第一歩として、ファイアウォールを設定してみてください。