自分のPCの状況を確認するためのシステムモニター。
Linuxにも標準のGUI(マウス操作)ツールはありますが、それよりも見やすく軽量な「btop」がおすすめです。
そこで今回は、端末(ターミナル)を使ったCUI(キー操作)の「btop」というシステムモニターを紹介します。
この記事を読むと、なぜあえて「btop」を使うのか、そのインストール方法と使い方がわかり、一画面で自分のPCのシステム状況を把握できるようになります。
表示される情報を見るだけならシステムを壊すこともないので、安心して試してみてください。
なぜ、あえて「btop」なのか?
Linux MintやZorin OSには、GUI(マウス操作)のシステムモニターが標準搭載されていますが、ここであえて「btop」をおすすめするのには、以下のような理由があります。
・ 一画面ですべてがわかる圧倒的な情報量
・ 低スペックPCにも優しい軽量な動作
・ 端末(ターミナル)とは思えないモダンなデザイン
一画面ですべてがわかる圧倒的な情報量
以下の画像はLinux MintのGUI(マウス操作)のシステムモニターの表示画面ですが、画面の上部に「プロセス」「システムリソース」「ファイルシステム」とあり、それぞれをクリックして画面を切り替える仕組みになっています。
なお、Zorin OSも同じ構成になっています。

しかし「btop」なら、GUI(マウス操作)のシステムモニターで分割されていた「プロセス」「システムリソース」「ファイルシステム」のすべてを一画面で表示してくれます。
下の画像は、「btop」をデスクトップのフルサイズで表示した画像です。端末起動時のサイズのウィンドウだと、これの簡略版が表示されるので、見るときはフルサイズがおすすめです。

「必要なものさえ見られれば、それで良い。」という考え方もありますが、システムエンジニアではない私達が絶賛トラブル中だった場合は、どこが悪いのかを探すためには、全体を見渡せる方が安心ですよね。
低スペックPCにも優しい軽量な動作
どのアプリもそうですが、GUI(マウス操作)アプリよりもCUI(キー操作)アプリの方が動作が軽いです。
特にシステムモニターは、画面がカクついたり、フリーズ気味になったりする時に見るアプリですから、そのシステムモニターは軽くないと意味がありません。
私がWindowsを使用していた頃、画面がカクついて仕方がなかったのでシステムモニターを開こうとしたのに、そのシステムモニターも起動しなかったので、電源ボタン長押しでPCを強制終了させたことが何回もあります。
「動作が軽い」という選択肢があるなら、それを選択するのは正しい判断だと思います。
端末(ターミナル)とは思えないモダンなデザイン
先ほど「btop」の画像を紹介しましたが、グラフ表示もあって、とても端末(ターミナル)で表示したCUI(キー操作)アプリとは思えないビジュアルだと思いませんか?
しかも、設定で表示の配色(カラースキーム)も変更できるんです。
どうせ使うなら、使っていてテンションの上がるアプリを使いたいですよね。
「btop」のインストールと起動方法
「btop」はCUI(キー操作)アプリなので、インストールも端末(ターミナル)で行います。
インストールの前に、リポジトリ(PC内のアプリリスト)のアップデートを以下のコマンドで行います。
sudo apt updateパスワードの入力を求められるので、自分のログインパスワードを入力して「Enter」。
次に、以下のコマンドで「btop」をインストールします。
sudo apt install btop以上でインストールは完了です。
もし、2回もコマンドを入力するのが面倒だという方は、以下の記述で1発でインストールができます。
sudo apt update && sudo apt install btopインストールが完了したら、以下のコマンドで「btop」を起動してみましょう。
btopなお、通常のターミナルのウィンドウの大きさだと、表示が一部省略されているので、「top」を起動したら、ウィンドウを最大化することをおすすめします。

「btop」を 快適に使うための操作方法と画面の見方
「btop」は、表示させたらそれで終わりということはありません。
以下に主な操作方法と表示された画面の見方を紹介します。
「btop」の主な操作方法
「btop」の主な操作キーは、以下の通りです。その他のキー操作はヘルプ画面で確認できますが、プロセスの操作は上級者以外は行わない方が無難です。終了と表示を切り替える程度にしておきましょう。
終了 : 「q」キー
オプション画面の表示&非表示 : 「o」キー
ヘルプ画面の表示&非表示 : 「h」キー
メインメニューの表示&非表示 : 「Esc」キーか、「m」キー
cpuの欄を非表示&表示 : 「1」キー
メモリ(mem)とディスク(disks)の欄を非表示&表示 : 「2」キー
ネットワーク(net)の欄を非表示&表示 : 「3」キー
プロセス(proc)の欄を非表示&表示 : 「4」キー
プロセスリストのスクロール : 「PgUp」キーと「PgDn」キー
更新間隔(初期値2000ms)を100msづつ増減 : 「+」キーと「-」キー
メインメニューを表示すると、選択肢として「オプション」「ヘルプ」「終了」が表示されます。

ここから「↑」「↓」のキーを押して「オプション」「ヘルプ」「終了」を選択して「Ent」キーを押すと、「オプション」画面や「ヘルプ」画面に切り替わったり、「btop」が終了したりしますが、上記のキー操作で直接「オプション」画面や「ヘルプ」画面を表示したり、終了させる方が手間がかかりません。
<「btop」のオプション画面>

<「btop」のヘルプ画面>

また、下の画像のように項目名で一文字色が変わっている文字と同じキーを押すと、そのキーに応じて画面の表示が変わります。(下の画像だと「1」「m」「p」がそれにあたります。)

切り替わった表示を元に戻すには、再度同じキーを押します。
「btop」の画面の見方
グラフが多用されていて項目もシンプルなので、初見でも分かりやすい画面になっていますが、いくつか分かりづらい点があるので、念のため紹介します。
cpu欄の見方

cpu欄は左側はグラフで、右側にCPUの情報が枠で囲まれて表示されています。

枠の上にはCPUの名称と速度(GHz)が、その下にはCPU全体の使用率と温度が表示され、各コアの使用率がグラフと一緒に表示されています。
さらにその下に「Load AVG」という項目があります。
「Load AVG」は、処理待ちのプロセス(タスク)の数の平均のことで、数値は左から1分間、5分間、15分間の処理待ちのプロセスの平均個数です。
上の画像では「1.22」「1.30」「 1.18」となっています。
これは「1分間で平均1.22個、5分間で平均1.30個、15分間で平均1.18個のプロセス待ちがある」ということを意味しており、この数値が多くなると、処理待ちが増えてきていることになります。
mem/disks欄の見方

この欄は、左側にメモリーの使用状況が、右側にはストレージの使用状況が表示されています。
mem欄
各項目の意味は以下の通り。
Total : メモリ全体の容量
Used : メモリの使用中の容量と%とグラフ
Available : 実質的に確保可能なメモリの空き容量と%とグラフ
Cached : キャッシュ(一時保管データ)として使用中の容量と%とグラフ
Free : 純粋な空き容量と%とグラフ
「Available」とは、Cached(キャッシュ)で使用しているが、必要に応じてすぐに解放できる容量と、Free(純粋な空き容量)の合計で、簡単にいうと「実質的に確保可能なメモリの空き容量」です。
もし、Cached(キャッシュ)が多く、Free(純粋な空き容量)が少ない場合は、余計な処理が多い可能性があるので、無駄に開いているwebブラウザのタブや、アプリを終了させることでCached(キャッシュ)を減らし、Free(純粋な空き容量)を増やすことができます。
disks欄
この欄は、PCのストレージ使用状況が表示されています。
各項目の意味は以下の通り。
root : メインの保存領域(システムやデータが入る場所)の容量
swap : 割当られている仮想メモリの容量
recovery : 復旧用パーティションの容量
efi : 起動専用パーティションの容量
上記のうち「recovery」は、Pop!_OSなどで標準で作成される領域で、システムが壊れたときに、初期状態に戻したりするためのデータが入っており、普段は使いません。
そして「efi」は、PCの電源を入れたときに、Linuxを立ち上げる「起動プログラム(ブートローダー)」が入っており、容量も大きくないため、普段は意識する必要はありません。
ただ、項目のラインの上にある「▼800K」の表示は気になりますよね。
これは、リアルタイムの「データ転送速度」で、現在、その領域(パーティション)で1秒間にどれくらいデータの読み書きをしているかの数値で、単位は「K」はKB/s(キロバイト/秒)、「M」の場合はMB/s(メガバイト/秒)です。
何もしていないのにここが常に高い数値で動いている場合、裏で何かが動いているということがわかります。
net欄の見方

net欄はそれほど難しい記述はありません。
「download」は「下り」ともいわれ、ネット上のデータを受信する通信速度が表示されています。
「upload」は「上り」ともいわれ、PCからデータを送信する通信速度が表示されています。
YouTubeなどの動画を見たり、ファイルをダウンロードしたりすると、「download」の数値が大きく跳ね上がります。
proc欄の見方

proc欄は、現在PC内で動いているプロセスの一覧が表示されています。
項目の中の「Pid」はプロセスIDのことで、Linuxシステムが割り振ったプロセスの識別番号です。
「Threads」は、一つのプログラムの中で、同時に動いている「作業の単位」です。
「Threads」の数値が大きいほど、そのアプリが複雑な並行処理を行っていることを示します。
初期状態でプロセスは「今、この瞬間にCPUをたくさん使っている順(重い順)」に上から表示されています。
性能不足を感じたときの3つの対処法
「btop」を使用する必要に迫られる状況、それはシステムのトラブルです。
その中でも、「動作がカクつく」「処理が重い」という状況の場合、自分の使用方法とPCスペックとのギャップが原因であることが多いです。
ここでは、そんな場合の対処法を3つ紹介します。
今のPCをメンテナンスして高速化をめざす
「動作がカクつく」「処理が重い」という場合、まず試してもらいたいのが、システムの高速化です。
ではどうしたら良いかというと、ちょっと使い方を変えたり、システム内の余計な保存データを削除することで、メモリやストレージの空き容量を増やし、CPUへの負荷も低減でき、高速化することができます。
「btop」でCPUやメモリ、ディスクの使用率が異常に高い場合、この軽量化・高速化が効果的です。
具体的なメンテナンス方法は以下の記事にまとめてありますので、そちらを参考に試してみてください。

また、CPUの温度が高い場合、上記の高速化だけでは解決しない場合があります。
特に、「btop」でCPUの温度がアイドル時で60℃を超えたり、常に90℃以上が続くなら、早急な対策が必要です。
そのまま放置すると、「熱暴走」で物理的にPC内のパーツが故障してしまいます。
そんな「熱暴走」を防ぐ方法を以下の記事にまとめています。

Linuxをインストールし直す
システムの高速化や熱暴走対策をやってみても状況が改善しない場合、Linuxをインストールし直すというのも一つの手です。保存データのバックアップなどが必要となりますが、案外、これだけで状況が一気に改善することがあります。
せっかくインストールし直すなら、今のディストリビューションより軽量なものを選ぶと、より効果が期待できます。
もし、ディストリビューション選びに困ったら、以下の記事でWindows風のディストリビューションの人気ランキングを紹介していますので、参考にしてみてください。

【推奨】Linuxに最適な「認定PC」への買い替え
もし、上記の高速化や熱暴走防止、Linuxのインストールし直しを試してみても状況が改善しない場合、それはPCに限界が来ている証拠です。
こうなると、PCの買い替えを検討するべきです。
ほとんどのWindowsPCでLinuxは動きますが、実際に買うとなると「ちゃんと動くのかなあ」と心配になりますよね。
事実、Linuxをインストールしたら「Wi-Fiがつながらなくなった」などのトラブルに会うこともあるそうです。
もし、同じ金額で確実にLinuxが動くことが保証されているPCがあるとしたら、そちらを選びますよね。
実は、Ubuntuを開発しているCanonical社が実際に動作確認して合格した「Ubuntu認定」のPCのリストが存在します。そのリストを現在日本で販売しているノートPCと照らし合わせた結果をまとめたのが、以下の記事です。
PCを買い換える前に、一度確認してみてください。

まとめ
今回は、Linuxのシステム情報をグラフィカルに、さらに見やすく表示してくれる「btop」を紹介しました。
CUI(キー操作)アプリにも関わらず、グラフィカルでモダンな感じの、非常に見やすいアプリです。
自分のPCの状況を知りたいという「知的好奇心」での使用はもちろん、「動作がカクつく」などのシステムトラブル時にも役立ちます。
システムトラブルの場合の対処法も紹介していますので、お役に立てると幸いです。
残念ながら、紹介した対処法でも状況が改善しない場合、PCの買い替えを検討することも必要です。
以下の記事でUbuntu認定の「Linuxが確実に動く」PCを紹介していますので、購入の際の参考にしてみてください。

