Linuxで使えるプリンターまとめ(主要メーカーの対応状況と設定方法)

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Linuxで使えるプリンターまとめ!

「Linuxでプリンタを使いたいけど、どのメーカーが対応しているか不安…。」
そんな疑問を持っていませんか?

パソコンの周辺機器は、WindowsやMacで使用することを前提に開発されているため、中にはLinuxでは動作しない機器もあると聞くと、心配になりますよね。

「プリンターやスキャナー、外付けストレージなどの一部周辺機器は、Linuxに対応していない場合があります。」
と私も以下の記事で紹介して心配をあおるようなことをしてしまったので、実際はどうなのか調べてみました。

実際には、Linuxでもほとんどのプリンターが自動認識されます。
万が一認識されなかった場合でも、メーカー提供のドライバーをインストールすれば対応可能です。

ただ、プリンターメーカーによってLinuxへの対応状況が違っているので、Linuxで使えるプリンタの選択や、メーカーごとの対応状況を詳しく紹介します。

「Linuxでプリンタを使いたいけど、どのメーカーが対応しているか不安…。」
という方の参考になれば幸いです。

目次

LinuxMint、ZorinOSのプリンターの対応状況

まずは、Windows風Linuxディストリビューション国内ランキング1位と2位のLinuxMintとZorinOSプリンターの対応状況を調べてみました。

結論を先にいいますと、2つのディストリビューションとも、
・ほとんどのプリンターがパソコンに接続すると自動認識され、特別な設定なしで使用できる
・もしうまく動作しない場合でも、各メーカーが提供するドライバーをインストールすればOK!
・HP(ヒューレット・パッカード)のドライバー(HPLIP)が標準搭載されている
とのことでした。

実はこれ、ほとんどのLinuxディストリビューションが同じように対応しています。

ただ、LinuxMintとZorinOSの公式ページを見ると、自動認識されなかったときの対応方法に違いがありましたので、以下では各ディストリビューションの公式ページにどのように書かれているのかを紹介します。

公式サイトのURLも紹介しますので、さらに詳しい情報が必要な場合は、公式サイトをご参照ください。
なお、どのサイトも英語なので、英語が苦手な方は、ブラウザの翻訳機能をオンにしましょう。

LinuxMintでプリンターとスキャナーを接続して設定する方法。

LinuxMint 21以降のバージョンでは、IPPという標準プロトコル(通信ルール)を使った印刷とスキャンの機能が搭載されています。

これにより、ほとんどのプリンターやスキャナーは接続すれば自動的に検出され、そのまますぐに動作します。
もしプリンターやスキャナーが自動的に検出されなかった場合は、
・IPPを無効に(削除)する
・各メーカーのドライバーをインストールする
必要があります。

プリンターやスキャナーの簡単な操作方法やIPPの無効方法、各メーカーのドライバーのインストール方法は公式ページのリンクを貼っておくので、必要に応じて見てみてください。

なお、ドライバーのインストール方法が掲載されているメーカーは、
・HP(ヒューレット・パッカード)
・エプソン
・ゼロックス
・キャノン
・ブラザー
などですが、前述した通り、HP(ヒューレット・パッカード)のプリンタードライバー(HPLIP)だけは、すでにLinuxMintにインストールされています。

HPLIPは、HP(ヒューレット・パッカー)製のプリンター、FAX、スキャナーを3390種類もサポートしていますので、よほど最新機種でなければ、新たにドライバーをインストールする必要がありません。

このため、自動認識しなかった場合、一番簡単に使えるようにできるのは、HP(ヒューレット・パッカード)のプリンターと言えます。

<LinuxMintのプリンター対応状況の公式ページ>

ZorinOSでプリンターとスキャナーを接続して設定する方法。

ZorinOSは、Wi-Fiプリンターの場合はパソコンと同じネットワークに接続、その他はプラグを差し込むだけでプリンターを認識します。

もし自動的に接続しない場合は、ZorinOSの「設定」から「プリンター」パネルに移動して「プリンターの追加…」ボタンをクリックしてプリンターを追加します。

上記の方法でプリンターが追加できない場合は、「プリンター」パネルの「追加ののプリンターオプション…」ボタンを押して、リストからや、ネットワーク上のプリンターのアドレスを入力して追加します。

それでもダメな場合は、各メーカーのドライバーをインストールします。

ドライバーのインストール方法が掲載されているメーカーは、
・HP(ヒューレット・パッカード)
・エプソン
・ブラザー
・キャノン
で、その他のプリンターについては、プリンター製造元のWebサイトなどを見ることを勧められています。

さらに、それでもダメな場合の代替ドライバーのリンクも貼られています。

前述した通り、HP(ヒューレット・パッカード)のプリンタードライバーであるHPLIPは、すでにLinuxMintにインストールされています。

HPLIPは、HP(ヒューレット・パッカー)製のプリンター、FAX、スキャナーを3390種類もサポートしていますので、よほど最新機種でなければ、新たにドライバーをインストールする必要がありません。

また、ZorinOSにはエプソンのドライバー (ESC/PR) もすでにインストールされています。

このため、HP(ヒューレット・パッカード)とエプソンのは、自動認識しなかった場合、他のメーカーよりも簡単に使えるようにできるプリンターだと言えます。

<ZorinOSのプリンター対応状況の公式ページ>

各プリンターメーカーのLinuxへの対応状況とドライバー

LinuxMintとZorinOSのプリンターへの対応状況は上記の通りですが、各プリンターメーカーでのLinux対応状況はどうでしょう。
どうしてもLinux側の対応は、プリンターメーカー側の対応の後追いになってしまうので、メーカー側の情報も重要です。
そこで、国内で販売されているインクジェットプリンターメーカーのキヤノン、エプソン、ブラザー、HPの4社について調べてみました。

キャノンのLinux対応状況とドライバー

文字の印刷が得意で、写真もきれいに印刷できるので、オールマイティーに使えると評判のキャノン製のプリンターですが、公式サイトの以下のページには、Linux対応商品の一覧表が掲載されています。

そこには、プリンタードライバーがダウンロードできるページのリンクが貼られています。

そこへ行って、指示にしたがって操作すると、該当商品のLinux対応版のプリンタードライバーと、機能が付属していればスキャナードライバーがあります。

各ドライバーのインストール方法は、表示されたドライバーをクリックして表示されたダウンロードページにマニュアルがあるので、そちらで確認してください。

試しにマニュアルを開いて確認しましたが、簡単なコマンド操作でインストールができるようになっていました。

なお、Linux対応商品の一覧表に掲載されており、amazonにあるキャノンのストアで販売されているプリンターのうち、もっとも最新の機種は2022年秋冬モデルが3機種。

そのうち一番安いのが以下のA4インクジェット複合機 PIXUS TS3530でした。

エプソンのLinux対応状況とドライバー

写真が鮮やかに印刷できると評判のエプソン製のプリンターですが、公式サイトの以下のページには、Linuxドライバーダウンロード可能機種の一覧表が掲載されています。

また、以下のページには、Linuxドライバーのダウンロードの方法が掲載されています。

上記のダウンロード方法を参考に、Linux用ドライバーをダウンロードしましょう。

インストール方法は、上記のページでダウンロードするドライバーを検索して表示されるダウンロードページにマニュアルのリンクがあるので、そこを開いて確認してください。

試しにマニュアルを開いて確認しましたが、インストールはLinuxのパッケージマネージャーとコマンド操作のどちらでもできるそうですが、プリンターの登録はコマンド操作もしくは、Linux標準の総合印刷システムのCUPSを使用して行うようになっていました。

なお、Linux対応商品の一覧表に掲載されており、amazonにあるエプソンのストアで販売されているプリンターのうち、もっとも最新の機種は2024年モデルが2機種。

そのうち一番安いのが以下のA4インクジェット複合機 カラリオ EW-056Aでした。

ブラザーのLinux対応状況とドライバー

ランニングコスト(インク代)が安いと評判のブラザーですが、Linuxで動作する各種ドライバーは英語表記のみとのこと。

また、LinuxMintとZorinOSの最新バージョンのシステム要件は64bitプロセッサーなのですが、ブラザーのドライバーは32bit用で、64bitバージョンのディストリビューションで使用するには、32bit用ライブラリが必要とのこと。

もし、ディストリビューションに32bit用ライブラリが標準搭載されていない場合は、自分で32bit用ライブラリをインストールしなくてはならないそうで、キャノンやエプソンよりも難しいことをしなくてはなりません。

インストール方法の説明も難しく感じました。

なお、ドライバーは以下のページからダウンロードできます。

そして、Linux対応商品の一覧表に掲載されており、amazonにあるブラザーのストアで販売されているプリンターのうち、もっとも最新の機種は2023年モデルが2機種。

そのうち一番安いのが以下のA4インクジェット複合機 DCP-J928N-Bでした。

HP(ヒューレット・パッカード)のLinux対応状況とドライバー

プリントヘッド一体型インクカートリッジによって、インク詰まりが起きにくいと評判のHP(ヒューレット・パッカード)では、HP開発者Webサイト(HP Linux イメージングおよび印刷)がLinux用のドライバーを提供しています。

提供されているドライバはHPLIPと呼ばれており、LinuxMintにもZorinOSにもすでにインストールされています。

HPLIPは合計3390台のHPプリンター、スキャナーおよびFAXをサポートしており、以下のページからサポートされている機種の一覧を見ることができます。

ただし、それでもうまく動作しない場合は、HPLIPの最新版をインストールする必要があります。

HPLIPの最新版をダウンロードするには、上記のページの「HPLIPをダウンロード」というボタンをクリックしてダウンロードページに行き、ディストリビューションを選択してダウンロードします。

選択できるディストリビューションの選択肢には、LinuxMintとZorinOSの両方とも含まれています。

ダウンロードしたドライバーをインストールする方法は以下のページに掲載されています。

インストール方法が「自動インストール」と「手動インストール」の2種類掲載されていますが、LinuxMintとZorinOSは自動インストールがサポートされており、ほとんどのユーザーは自動インストール推奨です。

なお、Linux対応商品の一覧表に掲載されており、amazonにあるHP(ヒューレット・パッカード)のストアで販売されているプリンターのうち、もっとも最新の機種は2022年モデルでしたが、一番安いモデルは2020年モデルのA4インクジェット複合機 ENVY 6020でした。

家電量販店のインクの品揃えを実際に行って調べてみた

Linuxとは直接関係はありませんが、インクの入手のしやすさは、プリンターを使ううえでは大きな問題です。

「プリンターを使おうと思ったらインクがない!すぐにインクを買ってこないと!」なんて時ありませんか?

そんな時は家電量販店にインクを買いに行きますよね。
amazonとかで買っていたら間に合いませんし。

そのため、近所にあるケーズデンキ、ヤマダ電機、エディオンの3店舗に実際に行ってインクの品揃えを見てきましたので、その状況を紹介します。

ただし、これはあくまでも「私の近所にある家電量販店の状況」です。

みなさんのお住まいの地域や店舗、シーズンによって状況が違うと思いますので、あくまでも参考程度にしていただきたいと思います。

プリンターを買う場合は、実際に近所の家電量販店に行って、候補のプリンターのインクが売っているか確認しましょう。

ケーズデンキのインクとプリンターの品揃え

まずは、ケーズデンキに行ってきました。
インクとプリンターの品揃えは以下の表の通り。

メーカーインクプリンター
キャノン大量にあり10台
エプソン大量にあり10台
ブラザー上記2社より若干少なめ8台
HPいくつかある程度1台

キャノンとエプソンのインクは、もう数えるのが嫌になるくらい大量に陳列されていました。

ブラザーも大量に陳列されていましたが、キャノンとエプソンより若干少ない感じでした。

HPは陳列棚の1区画に余裕を持った配列で上から下までありました。

陳列されていたプリンターの数を考えると、妥当な比率の品揃えだなと感じました。

ヤマダ電機のインクとプリンターの品揃え

近所のヤマダ電機は、ケーズデンキよりは品揃えは少なかったです。

メーカーインクプリンター
キャノン大量にあり8台
エプソン大量にあり8台
ブラザー上記2社の半分程度4台
HPなしなし

残念なことに、HP製のインクとプリンターは陳列されていませんでした。

ヤマダ電機の公式通販サイトには数は少ないものの、インクとプリンターは販売されていましたので、見に行ったシーズンが悪かったのかもしれません。

エディオンのインクとプリンターの品揃え

エディオンはヤマダ電機よりもさらに少ない品揃えとなっていました。

メーカーインクプリンター
キャノン大量にあり6台
エプソン大量にあり5台
ブラザー上記2社の3割程度3台
HPなしなし

エディオンでもHP製のインクとプリンターは陳列されていませんでした。

こちらも公式通販サイトには少ないながらHP製のインクとプリンターは販売されていました。

家電量販店の品揃えはメーカーによってバラツキがある

近所にある家電量販店3店舗に実際に見に行った結果を紹介しましたが、みなさんの地域とは違うと思います。

都会ならもっと品揃えはいいでしょうし、各店舗の方針によっても変わってくると思いますが、
・キャノンとエプソンについてはインクの欠品は心配しなくてもよさそう
・ブラザーもそれなりに品揃えあり
・HPはプリンターも含めて欠品の可能性あり
という傾向だと感じました。

もしHPのプリンターを買いたい方は、常にインクの予備をamazonなどで購入しておくことをおすすめします。

過去に使っていたプリンターの中ではHP(ヒューレット・パッカード)がおすすめ

Linuxを使うようになる前、キャノン、エプソン、HP(ヒューレット・パッカード)の3社のプリンターを使ったことがあります。

この中で一番壊れずに長く使えたのはHP(ヒューレット・パッカード)のプリンターで、今でも妻がWindowsパソコンで使用しています。

プリンターの故障の一番の原因はプリントヘッドの目詰まりなのですが、HP(ヒューレット・パッカード)はインクを交換するとプリントヘッドもいっしょに交換されるため、たとえプリントヘッドが目詰まりしても、インク交換すれば直ってしまいます。

1ヶ月に1回とか、何ヶ月に1回しか印刷しないし、画質に強いこだわりがないなら、個人的にはHP(ヒューレット・パッカード)がおすすめです。

ただ、インクが家電量販店で買いにくいという難点がありますので、近所でいつでもすぐに買える場所を見つけておくか、予備を必ず確保しておくかすることもおすすめします。

まとめ(結局どのプリンターメーカーがいいのか)

ほとんどのLinuxディストリビューションで、
・ほとんどのプリンターがパソコンに接続すると自動認識され、特別な設定なしで使用できる
・もしうまく動作しない場合でも、各メーカーが提供するドライバーをインストールすればOK!
・HP(ヒューレット・パッカード)のドライバー(HPLIP)が標準搭載されている
ことがわかりました。

ただし、自動認識されなかった場合の対処方法がディストリビューションによってちょっと違うので、あらかじめ自分の使っているディストリビューションの公式サイトで確認しておきましょう。

また、各プリンターメーカーのサイトで、自分の購入しようとしているプリンターにLinux用ドライバーが用意されているかも確認しておくと安心です。

「インクがすぐに手に入るか」という点からいうとキャノン、エプソン、ブラザーは多くの種類が家電量販店で売られていたので、安心して使えますが、HP(ヒューレット・パッカード)は売っていないの可能性があるので、常に売っているお店を探しておくか、予備を必ず確保しておくと良いでしょう。

ただ、特に画質に強いこだわりがないならば、壊れにくく長く使えて、Linuxディストリビューションにドライバーが標準搭載されているHP(ヒューレット・パッカード)のプリンターが、個人的にはおすすめです。

なお、基本的にLinuxではほとんどのプリンターを自動認識してくれるので、文字と画像のクオリティにこだわるなら、キャノンのプリンターがいいでしょう。

また、写真のクオリティにこだわるなら、エプソンのプリンターがおすすめです。

Linuxへの対応状況も大切ですが、ご自身のプリンターの用途や使用頻度、インクの入手しやすさも検討して購入するプリンターを決めてください。

「Linuxでプリンタを使いたいけど、どのメーカーが対応しているか不安…。」
という方の参考になれば幸いです。

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