別の記事でWindowsからLinuxへ移行する7つの理由とメリットを紹介しましたが、今回はその反対に、Linuxを使用する際のデメリット7つと、それぞれの解決方法を紹介します。
Linuxは非常に優れたOSですが、すべてが完璧というわけではありません。
しかし、デメリットを事前に理解し、その解決方法を知っておくことで、移行に対する不安が軽減され、万が一問題が発生した際にも迅速に対処できますので、ぜひ参考にしてください。
Officeなど他OSで使えるアプリが使えない
LinuxはWindowsとは異なるOSであるため、Windowsアプリをそのまま使用することはできません。
しかし、以下の方法で問題を解決できます。
- 同じアプリのLinux版が提供されていれば、それを使用する
- Web版があれば、それを利用する
- Linux用の代替アプリを見つけて使用する
- WineやBottlesなどのツールを使って、Windowsアプリをインストールする
たとえば、エクセルやワードの代わりに、LibreOfficeやGoogle ドキュメントを使用することが可能です。
ゲームの場合も、WineやBottlesというアプリを使って、Windowsアプリをインストールすることができます。
ただし、ブラウザベースのサービスやアプリの一部は、Linuxでは正常に動作しない場合があります(例:e-Tax)。
その場合、VirtualBoxというエミューレーターを使ってWindowsを仮想環境にインストールすることも可能です。
ただし、これはPCのスペックに依存しますので注意が必要です。
ディストリビューションの種類が多い
ディストリビューションとは、Linuxのシステムに様々なアプリケーションを組み合わせたパッケージのことです。
「DistroWatch Page Hit Ranking」には260以上のディストリビューションが掲載されていますが、それぞれに特徴があり、自分に合ったものを見つけるのは大変です。
まずは、日本語の情報が豊富なディストリビューションを選ぶと良いでしょう。
これにより、使い方やトラブルの解決方法を見つけやすくなります。
Linuxを紹介する日本語のブログやサイトを検索して、候補を絞り込みましょう。
デスクトップ環境によって操作方法がちがう
デスクトップ環境とは、ツールバーやアイコンなどの画面に表示されるパーツや、画面操作に必要なシステムなどをまとめたものです。
Linuxにはいくつものデスクトップ環境があり、さらに各ディストリビューションで調整されています。
このため、ディストリビューションによって見た目が変わります。
ちなみに、Pop!_OSというディストリビューションの見た目はこんな感じ。
見た目が変わると操作感も変わるので、初めてLinuxを使う方には抵抗があると思います。
そんな場合は、「Windows風ディストリビューション」というものを選びましょう。
Windows風といっても見た目だけではなく、Windowsのような使い勝手やWindowsアプリとの互換性を高めたりされているので、あまり違和感なく使えます。
独自調査による「Windows風ディストリビューション」の日本での人気ランキングを以下の記事で紹介していますので、参考にしてみてください。
用語やシステムがちがう
WindowsとLinuxは異なるコンセプトで開発されているため、用語やシステムが異なります。
たとえば、Windowsでは「フォルダ」と呼ばれるものが、Linuxでは「ディレクトリ」と呼ばれます。
最初は慣れるまで時間がかかるかもしれませんが、必要に応じて覚えていけば良いでしょう。
普段使いであれば、深く学ばなくても基本的な操作は十分に可能です。
日本語環境が不完全
多くのLinuxディストリビューションやアプリは英語で開発されているため、日本語対応が不十分な場合があります。
しかし、ウェブ情報はブラウザの翻訳機能を使って日本語化することができます。
また、ディストリビューションやアプリのマニュアルも翻訳ツールを使うと便利です。
コピペができない場合は、Googleレンズを使って画面を翻訳してもらいましょう。
メーカーのサポートがない
Linuxは無償で開発されているため、メーカーのサポートがありません。
ある程度はディストリビューションの本家サイトに情報がありますが、使い方やトラブルの解決方法は自分で調べなければなりません。
とはいえ、実際にWindowsを使用していてもMicrosoftに問い合わせることはなく、多くの場合は自分でウェブ検索して解決しているのではないでしょうか?
Linuxでも同様に、ネットで情報を収集して解決します。
ただし、Windowsに比べて情報が少ないため、解決に時間がかかることもあります。
一応、使用するディストリビューションの本家サイトをブックマークしておきましょう。
周辺機器が非対応で使えない場合がある
プリンターやスキャナー、外付けストレージなどの一部周辺機器は、Linuxに対応していない場合があります。
特にプリンターやスキャナーをお持ちの方は、事前にLinuxへの対応状況を確認しておきましょう。
各メーカーのウェブサイトで確認できます。
また、外付けストレージ(HDD、SSD、USBメモリ)は基本的にそのまま使用できますが、セキュリティソフトが標準搭載されているものは避けた方が良いでしょう。
キーボードやマウスも基本的にそのまま使用できますが、設定アプリが必要なゲーミングデバイスはLinux対応の有無を確認してから購入することをおすすめします。
ゲーミングキーボードにはキーボード側で設定が可能なものも多数あります。
専用アプリ不要で設定ができるものを購入すると安心です。
まとめ
今回はWindowsからLinuxへ移行する前に知っておきたい7つのデメリットとそれぞれの解決方法を紹介しました。
Linuxは非常に優れたOSですが、全てのニーズに完璧に応えられるわけではありません。
デメリットとその解決方法をあらかじめ知っていれば、WindowsからLinuxにOSを変えることへの不安の解消にも、デメリットに遭遇したときの速やかな解決にもつながりますので、ぜひ参考にしてください。