WindowsからLinuxに乗り換えようと考えているあなた。
Linuxにはさまざまなディストリビューションがありますが、初心者にはどれを選べばいいのか迷いますよね。
そこで今回は、Windows風Linuxディストリビューションで、独自調査によると国内人気ツートップのLinux MintとZorin OSを比較して、どちらがあなたに向いているかを解説します。
NVIDIA製のGPUが搭載されているパソコンならZorin OS一択!
ゲーミングパソコンなどには、GPU(グラフィック処理装置)というものが搭載されているものがあり、NVIDIA製のGPUが搭載されているパソコンでは、うまくインストールできない場合があります。
これを解消するにはLinuxをインストールすると同時にNVIDIA製GPUのドライバーもインストールする必要がありますが、Linux Mintにはその設定はありません。
しかし、Zorin OSにはインストールと同時にNVIDIA製GPUのドライバーをインストールするモードがあるので、物理的にZorin OS一択となります。
(上から3番目の項目がNVIDIA製GPUのドライバーをインストールするモードです。)
なお、上記のモード選択画面はカウントダウンがあるので、できるだけ早くモード選択をしてインストールを進めてください。
低スペックなパソコンならZorin OSがおすすめ!
アプリだけでなく、OSもシステム要件を満たさないパソコンにインストールすると、不安定になったり動作が遅くなったりするので、気になりますよね。
Linux Mint 21.3とZorin OS 17 Coreのシステム要件は以下の通り。
Linux Mint 21.3 | Zorin OS 17 Core | |
CPU | 公式サイトに記載なし | 1GHzデュアルコア-intel/AMD64ビットプロセッサ |
メモリ | 2GB(4GB推奨) | 1.5GB |
ストレージ | 20GB(100GB推奨) | 15GB |
ディスプレイ | 解像度 1024×768 | 解像度 1024×768 |
Linux Mintには「Cinnamon」「MATE」「Xfce」という3つのエディションがあるのですが、公式サイトのシステム要件は上記の内容しかありません。
おそらく、メモリの2GBとストレージの20GBは、Xfceエディションのシステム要件で、カッコ内の数値がCinnamonのシステム要件となり、その間くらいがMATEのシステム要件になるのではないでしょうか。
Zorin OSにも「Pro(有料)」「Core(無料)」「Lite(無料)」の3つのエディションがあるのですが、無料で使える中で高いシステム要件の「Core」と比べても、Zorin OSの方がLinux Mintよりもシステム要件が低いことが分かります。
パソコンのスペックに余裕があるならどちらを使っても何も問題ありませんが、あまり余裕がない場合は、よりシステム要件の低いZorin OSをおすすめします。
アプリの充実度ならLinux Mintがおすすめ!
Windowsはスタートメニュー見ると、多くのアプリが最初からインストールされていますよね。
LinuxでもWindowsと同様に、最初からたくさんのアプリが入っていて、すぐに色々なことができるようになっていて欲しいと思う方も多いと思います。
そこで、Linux MintとZorin OSに、最初からインストールされているアプリがスタートメニュー内にいくつあるのか数えてみました。
スタートメニュー項目 | Linux Mint 21.3 MATE | Zorin OS 17 Core |
アクセサリ | 20 | 4 |
インターネット | 5 | 2 |
オフィス | 8 | 8 |
グラフィック | 3 | 3 |
サウンドとビデオ | 4 | 5 |
システムツール | 7 | 13 |
システム管理 | 11 | 項目なし |
設定 | 29 | 項目なし |
ユーティリティ | 項目なし | 15 |
合計 | 87 | 50 |
どちらもそれぞれのディストリビューションのミドルグレードのエディションです。
Linux Mintの方がZorin OSよりも1.7倍アプリが多くインストールされています。
Windowsと同様、すぐに色々なことができるようになっていて欲しい方には、Linux Mintがおすすめです。
日本語入力の設定が簡単な方がいいならLinux Mintがおすすめ!
Linux MintもZorin OSも海外製のため、基本は英語入力です。
もちろん日本語入力に変更することが可能ですが、それぞれ設定方法が違います。
Linux Mintはインストール直後に画面下のパネル(Windows風にいうとタスクバー)の「JA」をクリックして表示されたメニューから「日本語-Mozc」をクリックするだけで「半角/全角」キーで英語と日本語の入力切り替えができるようになります。
しかしZorin OSでは、
- 「設定」から「言語サポート」をインストール
- 「言語サポート」の「キーボード入力に使うIMシステム」が「IBus」になっていることを確認
- 画面下のパネルの「JA」をクリックして表示されたメニューから「日本語-Mozc」をクリック
という3ステップを踏む必要があります。
そうはいっても、やり方を知っていれば大して手間ではない範囲ですが、「少しでも簡単にしたい」という方には、Linux Mintをおすすめします。
Windowsアプリも使いたいならZorin OSがおすすめ!
最近は、クロスプラットフォームといってWindowsでもLinuxでも使えるアプリも増えてきましたが、全てがそうだとは限りません。
どうしてもWindowsアプリを使いたいという場合、Linuxユーザーは「Wine」というWindowsアプリの互換レイヤーを使いますが、インストールが複雑で、なかなかうまくインストールできなかったりします。
それでも色々調べて、Linux Mintに3ステップでWineをインストールする方法を見つけたので、別のページで紹介していますが、コマンド入力が必要です。
一方、Zorin OSはWindowsアプリのサポートが充実しており、マウス操作だけでWineとWineが正常に動作するのに必要なシステムをインストールしてくれます。
こちらも別のページで紹介していますので、詳細はそちらをご覧ください。
Linux Mintでも3ステップでWineをインストールすることができますが、WindowsアプリをLinuxでも使いたいなら、より簡単にインストールできるZorin OSをおすすめします。
結論
Linux MintとZorin OSをこうして比較すると、それぞれに長所と短所があることがわかります。
Windowsのようにインストールしてすぐに色々なことができるようにアプリが充実していて欲しい方にはLinux Mintをおすすめします。
パソコンにNVIDIA製のGPUが搭載されている方、LinuxでもWindowsアプリをいくつか使いたい方にはZorin OSをおすすめします。
自分のニーズに合わせて、どちらのディストリビューションが自分に向いているかを判断すると、より良いLinuxライフをすごせると思います。