Linuxはウィルスに感染しにくいOSだと言われています。
しかし、Linuxにはたくさんのディストリビューションがあり、それぞれ特徴があります。
そこで、自分が普段使いしているZorinOSの正式見解が知りたいと思い調べたところ、公式サイトのヘルプに「Zorin OSを使用するほとんどのデスクトップコンピュータユーザーには、アンチウイルスソフトウェアを使用する必要はありません。」とありました。
つづけて、アンチウイルスソフトを使用しないときの注意点も記載されていましたので、その辺も含めてみなさんと情報共有したいと思います。
これからLinuxを使ってみようと思ってインストールするディストリビューションを探している方や、現在ZorinOSを使用しているけどセキュリティについて不安に思っている方の役に立てれば幸いです。
Linuxはウイルスに感染しにくいって本当?
Linuxがウイルスに感染しにくい理由として、以下のものがよく挙げられています。
・Linuxのファイルはパーミッション(アクセス権)により守られているため
・Linuxにインストールできるソフトはパッケージメンテナにより、安全かどうかチェックされているため
・LinuxはWindowsに比べて使っている人が少ないため、狙われにくい
・Linuxはオープンソースで作られており、セキュリティ上の問題が発生してもすぐに修正されるため
それぞれについて、もう少し解説します。
Linuxのファイルはパーミッション(アクセス権)により守られているため
パーミッションはアクセス権のことで、Linuxでは、
「所有者」「グループ」「その他のユーザ」ごとに、
ファイルやディレクトリの「読み込み」「書き込み」「実行」をどのように許可するか
権限が設定されています。
たとえば、一般ユーザー(その他のユーザー)はシステムファイルの「書き込み」と「実行」はできません。
Linuxは通常、一般ユーザーで使用するため、
ウイルスに実行権限が与えられないので、ウイルスに感染することが少ないですし、
もし感染しても、一般ユーザーはシステムファイルに「書き込み」も「実行」もできないので、システムが破壊されることもないということです。
ただし、一般ユーザーのファイルは破壊や削除される可能性はあります。
Linuxにインストールできるソフトはパッケージメンテナによって安全性がチェックされているため
Linuxでは、パッケージマネージャーやソフトウェアマネージャーを操作して、リポジトリというソフトウェアの保管庫からダウンロードして、ソフトウェアをインストールします。
このリポジトリに入っているソフトウェアは、パッケージメンテナといわれる「中の人」が事前に動作確認と安全性の確認をしてくれています。
第三者が安全性を事前に確認してくれたソフトウェアをインストールするので安全という訳です。
LinuxはWindowsに比べて使っている人が少ないため、狙われにくい
statcounterというサイトによると、世界のデスクトップOSの市場シェアは、私が調べた時点ではWindowsが71.78%、Linuxは2.94%となっていました。

ウィルスは標的の数が多ければ多いほど成果が出ますから、シェアのほとんどないLinuxよりもWindowsを標的にしたほうが効率が良いため、狙われにくいといわれています。
Linuxはオープンソースで作られており、セキュリティ上の問題が発生してもすぐに修正されるため
Linuxはオープンソースで作られています。
オープンソースとは、ソースコードが一般に公開されており、だれでも自由に利用、改変、再配布ができます。
その結果、世界中の多くの人によってソースコードは監視され、品質向上が行われることになり、悪意のあるソースコードの改変や、セキュリティ上の問題をすばやく発見・修正されるので、オープンソースで作られているLinuxもセキュリティレベルが高いという訳です。
ZorinOSのアンチウイルスソフトのインストールに対する公式見解は?
Linuxにはディストリビューションがたくさんあり、それぞれ特徴があります。
セキュリティに関する考え方もディストリビューションによって違うかもしれません。
私はZorinOSを普段使いしていますので、ZorinOSの公式見解が知りたくて調べてみたところ、公式サイトのヘルプに「Is an Antivirus Necessary?(アンチウイルスソフトは必要ですか?)」という項目がありました。
すべて英文だったので、Google Chromeのプラグインで翻訳してもらい、さらに分かりやすい表現に修正してみたのが以下の文章です。
ZorinOSはアンチウイルスソフトを使用する必要がありますか?
自宅で使用するようなパソコンでZorinOSを使用する場合、アンチウイルスソフトを使用する必要はありません。
なぜなら、Linuxのウイルスに感染しにくい構造と、Linuxをオープンソースで開発することによる監視・修正体制により、守られているからです。
ただし、パッケージマネージャーやソフトウェアマネージャーで常に最新の状態にアップデートすることをおすすめします。
これにより、最新のセキュリティパッチが確実に適用されます。
それでも、WindowsやMac OSなどの他のOSで作成されたマルウェアが、Zorin OS上で動作することが心配なら、ClamTkというマルウェアスキャナーをインストールすることも可能です。
要するに、
「ZorinOSは、常に最新の状態にアップデートしておけば、基本的にアンチウィルスソフトを使用する必要はないけど、それでも心配ならClamTkというマルウェアスキャナーをインストールしてみてね。」
ということです。
ClamTkって何?
先ほど紹介した文章の中にあったClamTkは、コマンドラインで操作するClamAVというアンチウイルスソフトを、マウスなどで簡単に操作できるようにするためのグラフィカルフロントエンドで、アンチウイルスソフトの本体はClamAVです。
なお、ClamTkもClamAvもオープンソースで無料で使えます。
これらを使うことによりファイルとフォルダに対して、手動でも、スケジュールを設定して自動でもウイルススキャンを行うことができます。
その結果、ウイルスを発見した場合は、隔離、削除、解析という3つの対処方法が用意されています。
調べてみましたが、マウス操作できるLinux用の無料アンチウイルスソフトは、2023年3月現在ではClamTkしかないようです。
普段使いのLinuxでは、できるだけコマンド操作は避けたいので、どうしてもアンチウイルスソフトを使いたいならClamTkしかありません。
どうしてもウィルス感染が心配だという方は、パソコンのスペックが許せばインストールしてみてください。
Linuxを普段使いしている方は、古いパソコンや低スペックのパソコンを使用している率が高いのではないでしょうか。
実のところ、私のパソコンも低スペックパソコンで「何とか普通に使えている」状態です。
ClamTkは軽量だそうなのですが、パソコンがまともに動かなくなるのは困るので、現時点ではインストールを見合わせています。
自分のパソコンのスペックと良く相談してインストールしましょう。
まとめ
Linuxはウィルスに感染しにくいOSだと言われていますが、自分が普段使いしているZorinOSがウィルス感染についてどう考えているのか知りたくて調べてみたところ、
「ZorinOSは、常に最新の状態にアップデートしておけば、基本的にアンチウイルスソフトを使用する必要はないけど、それでも心配ならClamTkというマルウェアスキャナーをインストールしてみてね。」
ということでした。
これからLinuxを使ってみようと思ってインストールするディストリビューションを探している方や、現在ZorinOSを使用しているけどセキュリティについて不安に思っている方の役に立てれば幸いです。