AlmaLinux初心者向け!GUIモードとCUIモードの基本操作

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AlmaLinux初心者向けCUIモードGUIモードの操作方法

Linux技術者認定資格の勉強にAlmaLinuxをインストールしてみたものの、WindowsやUbuntu系Linuxディストリビューションと見た目がちがい、どう操作したらいいかわからず困っていたりしませんか?

そんな方のために、AlmaLinuxの基本的な使い方を紹介します。
この記事を参考にAlmaLinuxを操作してみてください。

これからAlmaLinuxをインストールする予定の方にも、きっと役に立つと思います。

目次

AlmaLinuxの操作方法は2種類ある

AlmaLinuxのインストール中にベース環境で「Server with GUI」を選択すると、インストール後にマウス操作ができるGUIモードと、コマンド入力のみで操作するCUIモードの両方が使えるようになります。

サーバーの管理ではCUIモードが主流のようですが、勉強しはじめの方がいきなりCUIだけで操作するのは精神的に負担が大きいので、GUIの端末である程度コマンド操作に慣れてからCUIモードに切り替えるのがいいでしょう。

ということで、GUIモードとCUIモードの両方の基本的な操作方法を紹介します。

AlimaLinuxのGUIモードの基本的な使い方

AlmaLinuxのインストール中にベース環境で「Server with GUI」を選択すると、パソコンを起動したときはGUIモードで起動しますので、まずはGUIモードの基本的な使い方を紹介します。

下の画像はAlmaLinuxの起動直後のデスクトップ画像です。

AlmaLinux起動直後のデスクトップ

Windowsとも、Ubuntu系のディストリビューションとも違う画面構成となっています。

パソコンのON/OFF

パソコンを起動してログインするまでは、WindowsやUbuntu系と操作方法はほとんど同じです。

ユーザーを選択して、ログインパスワードを入力して「Ent」キーを押すだけです。

パソコンの電源を切る時は、以下の手順で操作します。

  1. 画面上部のバーの右側にある3つのアイコンをクリック
  2. 表示されたメニューにある「電源オフ/ログアウト」をクリック
  3. さらに表示されたメニューから「電源オフ・・・」をクリック

このメニューでは、電源オフの他に、再起動やログアウト、スピーカーの音量調節、インターネット接続やその他設定も行えます。

電源オフのメニュー表示

アプリの起動

アプリの起動は、画面下のアイコンの集合体(お気に入り)から行います。

インストール直後の「お気に入り」には、左から順番に以下のものが配置されています。

・Webブラウザ(Firefox)
・ファイル(ファイルマネージャー(Windowsでいうエクスプローラー))
・ソフトウェア(ソフトウェアマネージャー(WindowsでいうMicrosoft Store))
・ヘルプ
・端末(ターミナル(Windowsでいうコマンドプロンプト))
・アプリケーションを表示する(インストール済みアプリのアイコン一覧)

「お気に入り」の部分だけの画像

試しに右から2番目の「端末」をクリックすると、起動直後のデスクトップで真ん中に表示されていたカラフルな画像が最大化され、「端末」が起動します。

「端末」を開いた画面

このカラフルな画面は「ワークスペース」といって、他のLinuxディストリビューションにも搭載されており、Windowsでいうところの「仮想デスクトップ」で、カラフルな画像は壁紙です。

この状態から「端末」を終了しても、ワークスペースは最大化されたままで、起動直後のデスクトップにあった「お気に入り」は表示されません。

なにも起動していないワークスペース

別のアプリを起動したい場合は、画面左上の「アクティビティ」をクリックするか、キーボードのWindowsキーを押すと、起動直後のデスクトップにもどります。

もちろん、「端末」などのアプリを起動したまま「アクティビティ」をクリックして、例えば「Firefox」起動すると、同じワークスペース内に「端末」と「Firefox」が開きます。

「端末」と「Firefox」が開いたワークスペース

このようにAlmaLinuxのGUIでは、「アクティビティ」ボタンやWindowsキーを使って、起動直後のデスクトップとワークスペースを行き来してアプリの起動を行います。

アプリウィンドウのサイズ変更

下の画像は先程の「端末」と「Firefox」を起動した際のアプリウィンドウのトップバーの画像ですが、Windowsなどのアプリウィンドウにあるサイズの最小化や最大化、ちょっと小さく表示したりするためのボタンがありません。

「端末」と「Firefox」のアプリウィンドウトップバー

アプリウィンドウのサイズ変更の方法は、以下の表の通りです。

ちょっと小さい表示から最大化トップバーをダブルクリック
最大化からちょっと小さい表示トップバーをダブルクリック
最小化トップバーを右クリックして「最小化」をクリック
最小化からの画面表示起動直後のデスクトップにもどって最小化したアプリをクリック

「ちょっと小さい表示」と「最大化」への変更は両方ともアプリウィンドウのトップバーをダブルクリックすることで行えます。

最小化は、トップバーを右クリックすると表示されるメニューにある「最小化」をクリックするとできます。

アプリウィンドウのトップバーの右クリックメニュー

ただし、「Firefox」のように、アプリによっては「最小化」が表示されないものもあります。

Firefoxのアプリウィンドウのトップバーの右クリックメニュー

また、最小化したアプリを画面に表示する場合は、「アクティビティ」ボタンをクリックするか、Windowsキーを押すかして起動後のデスクトップにもどり、表示されている最小化したアプリをクリックします。

起動後のデスクトップで表示されている最小化したアプリ

CUIモードへの切り替え

GUIモードからCUIモードに切り替える方法は、「一時的な切り替え」と「デフォルト(初期設定)の切り替え」の2つの方法があります。

「一時的な切り替え」は、設定したときのみCUIモードに切り替える方法で、再起動すると今までどおりGUIモードで起動します。

「デフォルト(初期設定)の切り替え」は、設定以降の起動時のモードを今までのGUIモードからCUIモードに切り替えてしまいます。

両方ともコマンドで設定します。

それぞれのコマンドは以下のとおり。

方法コマンド
一時的な切り替えsystemctl isolate multi-user.target
デフォルトの切り替えsystemctl set-default multi-user.target

具体的な設定方法をそれぞれ紹介します。

なお、ここで紹介する「systemctlコマンド」は、実行にはrootユーザー(管理者)の権限が必要なのです。

しかし、私は上記のコマンドをそのまま入力して実行できてしまいました。

どうもAlmaLinuxのインストール時の「ユーザー作成」画面で「このユーザーを管理者にする」にチェックを入れたのが原因と思われます。

rootユーザー(管理者)の権限の具体的な設定については次の章で紹介しますので、上記のコマンドが実行できない方は、上記コマンドの前に「sudo 」を追加して実行し、パスワードの入力が求められるので自分のログインパスワードを入力して「Ent」を押してください。

CUIモードへの「一時的な切り替え」方法

端末を開いて以下のコマンドを入力して「Ent」キーを押す

systemctl isolate multi-user.target

上記が実行されない場合は、以下のコマンドを試す

sudo systemctl isolate multi-user.target
端末でsystemctl isolate multi-user.targetを入力

パスワードの入力を求められるので、ログインパスワードを入力して「Ent」キーを押す

パスワード入力画面

CUIモードの起動画面に切り替わるので、ユーザー名を入力して「Ent」キーを押す

CUIの起動画面

パスワードの入力を求められるので、ログインパスワードを入力して「Ent」キーを押す
(パスワードを入力しても画面には何も表示されませんが、入力はできているので心配しないでください。)

CUIのパスワード入力表示

パスワードが認証されると、以下のように表示され、ログインが完了します。

CUIのログイン完了後の画面

CUIモードへの「デフォルト(初期設定)の切り替え」方法

端末を開いて以下のコマンドを入力して「Ent」キーを押す

systemctl set-default multi-user.targe

上記が実行されない場合は、以下のコマンドを試す

sudo systemctl set-default multi-user.target
端末でsystemctl set-default multi-user.targeを入力

「一時的な切り替え」と同様にパスワードを求められるので、ログインパスワードを入力して「Ent」キーを押すと、端末に以下のように表示がされますが、画面がCUIに切り替わるわけではありません。

systemctl set-default multi-user.targe実行後の端末画面

表示の内容は、「デフォルト(初期設定)の設定ファイルをCUIで起動するように再設定しましたよ」という意味で、この表示が出たら切り替え完了です。

これ以降、起動時には先ほど「一時的な切り替え」で表示されたCUIモードの起動画面が最初に表示されるようになります。

試しに再起動してみましょう。

再起動後のCUIモードの操作方法は次の章をご覧ください。

AlimaLinuxのCUIモードの基本的な使い方

CUIモードでは、マウスのカーソルもない文字だけの表示で、コマンド入力のみで操作します。

ここでは、基本的な使い方として、

・システムの起動方法
・システムの終了方法(電源OFF&再起動)
・GUIモードへの切り替え方法

を紹介します。

なお、ここで紹介する方法はAlmaLinuxだけでなく、他のLinuxディストリビューションでも使用できます。

CUIモードでのシステムの起動方法

GUIモードからCUIモードへの一時的な切り替えのときに紹介した方法と重複しますが、AlmaLinuxをCUIモードで起動すると、以下の起動画面が表示されます。

CUIモードの起動画面に切り替わるので、ユーザー名を入力して「Ent」キーを押す

CUIの起動画面(再掲載)

パスワードの入力を求められるので、ログインパスワードを入力して「Ent」キーを押す
(パスワードを入力しても画面には何も表示されませんが、入力はできているので心配しないでください。)

CUIのパスワード入力表示(再掲載)

パスワードが認証されると、以下のように表示され、ログインが完了します。

CUIのログイン完了後の画面(再掲載)

あとは、いろいろとコマンドを入力して操作します。

CUIモードでのシステムの終了方法(電源OFF&再起動)

CUIモードでシステムを終了するには、rootユーザー(管理者)の権限が必要になります。

一時的にrootユーザー(管理者)権限でコマンドを実行するには、実行したいコマンドの前に「sudoコマンド」を入力します。

「sudoコマンド」を使ったシステムの終了コマンドは以下の通り。

$  sudo shutdown -h now

実行すると自分のログインパスワードの入力を求められるので、入力して「Ent」キーを押すとシステムが終了します。

sudoでshutdownコマンド実行時のパスワード要求表示

rootユーザー(管理者)のパスワードを知っている場合は、まず「suコマンド」を実行して管理者権限を取得してから実行したいコマンドを入力します。

「suコマンド」を実行すると、コマンドを入力する直前にある「$」という記号が「#」に変わります。

「$」は一般ユーザーを、「#」はrootユーザー(管理者)をあらわしており、自分の現在の権限が一般ユーザーなのかrootユーザーなのかを視覚的に判断できるようになっています。

$ su -
# shutdown -h now

suコマンド実行時もパスワードの入力を求められますが、この場合はrootユーザー(管理者)のパスワードなので、間違えないように気をつけましょう。

suでshutdownコマンド実行時のパスワード要求表示

再起動は、「shutdownコマンド」のオプションが「-h」から「-r」に変わるだけです。

一応、「sudoコマンド」使用時と「suコマンド」使用時の再起動のコマンドを以下に紹介しておきます。

$  sudo shutdown -r now
$ su -
# shutdown -r now

また、再起動は「rebootコマンド」でもできます。

$  sudo reboot
$ su -
# reboot

なお、suコマンドを実行すると、その後ずっとrootユーザーの権限が付与されたままになります。

管理者権限付きのままパソコンの操作を続けるのはセキュリティ上よくありませんので、用が済んだら一般ユーザーに戻しておきましょう。

一般ユーザーに戻すには、以下のコマンドを実行します。

# su 「ユーザー名」

私の場合、一般ユーザー名が”tano”なので、以下のように入力します。

# su tano

一般ユーザーに切り替わったら、コマンドを入力する直前にある記号が「#」から「$」に変わります。

GUIモードへの切り替え

CUIモードからGUIモードに切り替える方法も、「一時的な切り替え」と「デフォルト(初期設定)の切り替え」の2つの方法があります。

「一時的な切り替え」は、設定したときのみGUIモードに切り替える方法で、デフォルト(初期設定)がCUIモードの場合は、再度起動したときはデフォルト(初期設定)のCUIで起動します。

なお、Linuxディストリビューションでは現在、GUI環境を実現するためのシステムがX Windows systemからWaylandに切り替わってきています。

このため2024年現在、AlmaLinuxではX Windows systemとWaylandのGUIモードへの切り替えモードが使用できますので、両方のコマンドを紹介します。

「デフォルト(初期設定)の切り替え」は、設定以降の起動時のモードを今までのGUIモードからCUIモードに切り替えてしまいます。

両方ともコマンドで設定します。

それぞれのコマンドは以下のとおり。

方法コマンド
一時的な切り替え(X Windows system)$ startx
一時的な切り替え(Wayland)# systemctl isolate graphical.target
デフォルトの切り替え# systemctl set-default graphical.target

X window systemの「startxコマンド」は一般ユーザーで実行可能です。

「systemctlコマンド」はrootユーザー(管理者)の権限が必要です。

前述の「sudoコマンド」と「suコマンド」と同じ方法で権限を付与して実行しましょう。

■一時的な切り替え(X Windows system)

startxコマンド入力画面


■一時的な切り替え(Wayland)

systemctl isolate multi-user.target入力画面

実行するとGUIのログイン画面が表示されるので、普通にログインしましょう。

■デフォルトの切り替え

systemctl set-default graphical.target入力画面

前章の「CUIモードへの「デフォルト(初期設定)の切り替え」方法」のときと同様、画面はGUIに切り替わりませんが、次回システムを起動したときからGUIで起動されるようになります。

まとめ

Linux技術者認定資格の勉強にAlmaLinuxをインストールしてみたものの、どう操作したらいいかわからない方のために、AlmaLinuxのGUIモードと、CUIモードの基本的な使い方を紹介しました。

サーバーの管理ではCUIモードが主流のようですが、勉強しはじめの方がいきなりCUIだけで操作するのは精神的に負担が大きいので、GUIの端末である程度コマンド操作に慣れてからCUIモードに切り替えるといいでしょう。

この記事を参考にAlmaLinuxを操作してみてください。

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