VirtualBoxでゲストOSを使っているときに、
「あれ?いつも使っているUSBメモリが、Linuxの画面に出てこない…」
なんてことはありませんか?
実は、VirtualBoxは最初にちょっとした設定をしないと、ゲストOSがUSB接続機器を認識してくれません
この記事では、私が実際に行った設定の手順を、ひとつづつ丁寧に紹介します
今回は、Pop!OS(ホストOS)上のVirtualBoxにインストールしたUbuntu(ゲストOS)で、USBメモリを実際に認識するように設定した画像を使いますが、この方法は他のUSB接続機器でも全く同じです
最初にこの設定を私がしたのは、確定申告をゲストOSのWindows11でするためにICカードリーダーライターでしたので、間違いありません
その時もこの手順で無事成功しましたので、信頼性は折り紙付きです
ゲストOSにUSB機器を接続して使いたい方は、ぜひ参考にしてみてください
VirtualBoxとUSBの関係(簡単に)
専門的な話は抜きにして、イメージだけ掴んでもらえるように説明します
VirtualBoxの中のゲストOSは、あなたのパソコンの中に作られた、もう一台の「架空のパソコン」のようなものです
そのため、現実のパソコンにUSBメモリを挿しても、架空のパソコンは「それ、僕の?誰の?」と、すぐには分かりません
これからやる設定は、
「このUSBメモリは、今からゲストOSで使いますよー!」
と、使用者を教えてあげる作業だと思ってください
ステップ1:ホストOS側でのやるべき2つのこと
ゲストOSで設定する前に、まず、ホストOS側でやるべき重要な作業が2つあります
これをやらないと、後でいくらゲストOSで設定しても、USB機器をまったく認識しません
必ず最初にホストOS側で、以下の2つのことをやってください
①「VirtualBox Extension Pack」のインストール
まずは、「VirtualBox Extension Pack」という、VirtualBoxの機能を増やしてくれる公式の追加プログラムをインストールします
この追加プログラムがないと、そもそもUSB接続機器を認識してくれません
必ずインストールしましょう
「VirtualBox Extension Pack」と書かれた枠を探して、その中の「Accept and download(同意してダウンロード)」をクリック

ダウンロードが完了したら、ダウンロードしたファイルをダブルクリックし、インストールを実行する
インストールが完了したら、次のステップに進みましょう
② 自分のユーザー名をVirtualBoxに登録(Linuxホスト限定)
もし、あなたがメインで使っているパソコン自体(ホストOS)がLinuxの場合は、必ず必要な作業です
(WindowsやMacをメインでお使いの方はこの作業は必要ありませんので、この部分は飛ばしてください)
この作業はLinuxのユーザー管理機能に関連しており、VirtualBoxを通じてUSBデバイスを利用するために必要な権限を与えるための重要なステップです
簡単にいうと、「VirtualBoxがUSBポートを使ってもいいですよ」という許可を以下のコマンドで出してあげる、ということです
ホストOS側で端末(ターミナル)を開く
端末(ターミナル)に以下のコマンドを入力して「Enter」キーを押す
$ sudo gpasswd -a [ユーザー名] vboxusers
[ユーザー名]の部分は、あなたがパソコンのログインにいつも使っているユーザー名に書き換えて入力してください
例えば、ユーザー名がsatoさんの場合は、sudo gpasswd -a sato vboxusers と入力します
実行後、パスワードの入力を求められるので、パソコンにログインするときのパスワードを入力して「Enter」キーを押す
コマンドの実行が終了したら、パソコンを再起動しましょう!
これ、すごく大事です!
再起動しないと、せっかくの権限設定が反映されません
忘れずに再起動しましょう
ステップ2:VirtualBoxを起動して、ゲストOSにUSBメモリを認識させる
さっきまでの作業で、ホストOS側での作業は終わりましたので、いよいよゲストOS側の作業を行います
まずは、VirtualBoxを起動し、目的のゲストOS(今回の場合はUbuntuデスクトップ)を起動
ゲストOSが起動したらUSBメモリをパソコンに挿入
ゲストOSのウィンドウのVirtualBoxのメニューから「デバイス」→「USB」→「USBの設定」に進む

「USBの設定」ウィンドウが開くので、「USBデバイスフィルタ」の項目の右側にあるUSBマークに「+」が付いたアイコンをクリック

USBマークに「+」がついたアイコンのすぐ下に認識されているUSBメモリにチェックを入れる
(ここでは、「USBest technology USB mass storage device」にチェックを入れる)

「USBの設定」ウィンドウの「USBデバイスフィルタ」の項目に、「USBest technology USB mass storage device」が表示されたのを確認してOKをクリック

再度、ゲストOSのウィンドウのVirtualBoxのメニューから「デバイス」→「USB」と進み、「USBの設定」の下に表示されている、先ほど登録した「USBest technology USB mass storage device」にチェックを入れる

少しするとUSBメモリがゲストOSに認識されてUSBメモリのアイコンが現れたり、ファイルマネージャーを開くとUSBメモリが認識されているので、確認のためUSBメモリを開く

USBメモリの中身が確認できたら大成功です!
まとめ
今回は、VirtualBoxのゲストOSでUSBメモリを使うための方法を紹介しました
この方法はUSBメモリ以外のUSB接続デバイス(外付けHDD、Webカメラ、ICカードリーダーなど)にも、全く同じように使えます
私もプロのエンジニアではないので、最初は「難しそう」と少し足踏みしていましたが、実際にやってみると、意外と簡単な作業の組み合わせでした
とはいえ、この手順をすべて覚えておくのは大変ですよね
そんな時は、またこの記事を開いて、見ながらゆっくり作業してみてください
一度設定してしまえば、あとは快適なVirtualBoxライフが待っています