エンジニアでもない私はLinuxを普段使いしかしていませんが、ブログでLinuxについて書いている今、もう少しちゃんとLinuxを勉強したいと思い「Linux標準教科書」を手に入れ、勉強をはじめました。
そして、せっかく勉強するならそれも記事にしたいと思い、LPI-Japan様(以下敬称略)に許可をいただきましたので、勉強しながらその内容を紹介したいと思います。
あくまでも私が分かるようにまとめたものなので、内容を全て網羅しているわけではありませんし、今までで得た知識や追加で調べたこともちょっと織り交ぜてまとめていくつもりです。
このため、「Linux標準教科書」の理解の補助になるような内容になると思います。
今回は、第1章の「Linuxについて」の内容を「Linuxの成り立ち」と「Linuxが動く構造について」の2つに分けて、前編として「Linuxの成り立ち」を紹介します。
「Linux標準教科書」は、アンケートに答えれば無料で手に入りますし、amazonで300円で手に入ります。
この記事を読んでいる方はLinuxに興味があったり、Linuxの普段使いからのステップアップを考えていたりしている方だと思いますので、ぜひ「Linux標準教科書」を手に入れて、補助的に私の記事を利用していただけると幸いです。
「Linux標準教科書」がどんなものかや、入手方法などは以下の記事で紹介していますので、そちらもご覧ください。
UNIXの誕生とライセンス化
1960年、アメリカの通信会社、AT&Tのベル研究所でUNIXというOSが誕生しました。
AT&Tは当初、UNIXのソースコードを送料とメディア代のみで配布し、自由に利用することを許可していたため、様々なUNIXが誕生したのですが、UNIXとしてまとまりが無くなってしまいました。
このため、AT&TはUNIXをライセンス制にして名称もSystem Vと変更。
高額なライセンス料を取るようになりました。
この時、ライセンス契約を結ばなかった組織が作ったものが「UNIX互換OS」と呼ばれました。
BSDの誕生とライセンス化
1977年、「UNIX互換OS」の内のひとつにカリフォルニア大バークレー校で開発された「BSD(Berkeley Software Distribution)」というものがありました。
IP(インターネットプロトコル)というIPアドレスを利用したインターネット通信方法をを実装していたため、BSDは一大勢力を形成しましたが、後にAT&Tからの圧力でライセンス化されます。
この結果、UNIX(System V)とBSDは高額な料金を支払わないと使えないOSになってしまいました。
なお、MacOSはBSDから派生したDarwinをベースにしています。
また、AndroidはLinuxをベースにしています。
Linuxの誕生
1991年、UNIXとBSD(System V)が高額なライセンス料を支払わないと使えない状況の中、当時、大学生だったLinus Torvalds氏が基本設計はUNIXにそっくりではあるものの、System VやBSDとは違う独自のUNIX系OSのLinuxを開発。
Linuxは「GPL」という
- プログラムを実行する自由
- ソースの改変の自由
- 利用・再配布の自由
- 改良したプログラムをリリースする権利
を補償するライセンスを採用し、実質無償で自由に利用・改変できたため、広く使われるようになりました。
ただ、当初のLinuxはインストールが非常に困難で、一部の高スキルのユーザーしか使えなかったため、色々な団体がLinuxを使う上で必要なプログラムをまとめ、簡単な手順で手軽にインストールできるようにしたのがディストリビューションで、このディストリビューションを開発する団体をディストリビューターと呼ぶようになりました。
さらにこのディストリビューターがソフトウェアが動作に必要なライブラリや設定ファイルなどをセットにした「パッケージ」を作るようになり、パッケージを正常に動作できるようにインストールやアップデートを簡単にするパッケージマネージャーを標準で搭載するようになりました。
まとめ
今回は、「Linux標準教科書」の第1章の「Linuxについて」の内容を「Linuxの成り立ち」と「Linuxが動く構造について」の2つに分けて、前編として「Linuxの成り立ち」を紹介しました。
あくまでも私が分かるようにまとめたものなので、内容を全て網羅しているわけではありませんし、今までで得た知識や追加で調べたこともちょっと織り交ぜてまとめています。
このため、「Linux標準教科書」の理解の補助として使っていただけると幸いです。
ぜひ「Linux標準教科書」を手に入れて、いっしょに勉強して行きましょう。