Pop!_OS 22.04をパソコンにインストールする方法

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Pop!_OS22.04をインストールする方法と最低限の設定

NVIDIAのGPU搭載パソコンにLinuxがインストールできなくて困ってはいませんか?

もし、あなたのパソコンにNVIDIA製のGPU(GeForce)が搭載されているならば、Pop!_OSをインストールすることをおすすめします。

Pop!_OSは、NVIDIAのGPUドライバに最初から対応した.isoイメージが用意されているため、問題なくインストールできます。

実際、マウスコンピューター製ゲーミングパソコンのG-Tune DG-I5G6TにPop!_OSをインストールして使っています。

見た目はWindows風ではないので、Windowsからの乗り替え一発目では使いづらそうに見えますが、実際に使うと簡単ですぐに使えるので、初心者にもおすすめです。

目次

Pop!_OSの推奨システム要件と特徴

Pop!_OSはsystem76というアメリカの企業が開発しているUbuntu系ディストリビューションです。

Ubuntu系ディストリビューションはNVIDIAのGPUと相性が悪く、インストールに失敗することが多いそうですが、その心配をしなくていいというだけで、Pop!_OSを選ぶ理由は十分でしょう。

しかし、その他にも特徴がありますので、普段使い目線で紹介します。

Pop!_OSのシステム要件

Pop!_OSの推奨システム要件は以下のようになっており、ちょっと古いパソコンでも使うことができます。

RAM(メモリ):4GB
ストレージ:16GB
CPU:64ビットプロセッサー

ただし、32ビット版はありませんので、あまり古いパソコンにはインストールできません。

NVIDIAのGPUドライバに最初から対応した.isoイメージが用意されている

冒頭でも紹介しましたが、NVIDIAのGPUドライバに最初から対応した.isoイメージが用意されています。

Pop!_OSのisoファイルダウンロード画面

ZorinOSもNVIDIAのGPUドライバに対応していますが、Pop!_OSとのように.isoファイルが対応しているわけではなく、制限時間付きのインストール方法切り替え画面で選択しなくてはなりません。(下の画像の上から3番目の項目)

ZorinOSのインストール方法選択画面

英語ができない私はこの選択を見落としていたため、誤って1番上のNVIDIAのGPUドライバ未対応の方をインストールしてしまい、うまく行きませんでした。

Pop!_OSは最初から対応している.isoファイルをダウンロードするので、このような見落としがありません。

起動が爆速

Pop!_OSを使い始めて最初に驚いたのは、起動の速さです。

LinuxMintやZorinOSはパソコンに電源を入れるとディストリビューションのロゴが表示されたりして何十秒かかかりますが、Pop!_OSは起動時にロゴの表示はなく、体感10秒未満でログイン画面が表示されます。

もちろん、前回使用時にアップデートを行っていても関係なく爆速で起動します。

起動しているアプリを自動でタイル表示にしてくれる

デスクトップ上部にある長方形を3つ重ねたようなアイコンをクリックして設定すると、起動しているアプリのウィンドウを自動で重ならずにタイル形式で表示してくれます。

たとえば、ブラウザで調べものをしながらLibureOfficeで文書を作成する場合、地味に便利です。

下の画面では左側にLibreOfficeを、右上にブラウザを、右下にはファイラを表示しています。

pop!_OSのタイルスタッキングの画面

Pop!_OSのダウンロード方法

Linux OSのインストールには、インストールしたいディストリビューションの.isoファイルが必要です。

Pop!_OSの.isoファイルは、開発元のsystem76からダウンロードできます。

まずは、以下のsystem76のサイトを開きます。

サイトは英語ですが、ブラウザの翻訳機能で日本語に変換してから操作すると簡単です。
この記事にあるsystem76のサイトの画像は、翻訳機能を使った画面のものになっています。

サイトを開いたら先頭に「ダウンロード」というボタンがあるので、これをクリック

system76のトップページ

「ダウンロード ポップ!_OS」という画面が表示されるので、
・GPU非搭載のパソコンの場合は「ダウンロード 22.04 LTS」
・AMDのGPU搭載のパソコンの場合も「ダウンロード 22.04 LTS」
・NVIDIAのGPU搭載のパソコンの場合は「ダウンロード 22.04 LTS(エヌビディア)」
をクリック

Pop!_OSのisoファイルダウンロード画面

ダウンロードが始まるので、終わるまで待ちましょう。

ダウンロードが完了すると、保存先に以下のような.isoが保存されます。

Pop!_OSのisoイメージのアイコン

Pop!_OSをインストールする準備

先ほどの作業でPop!_OSの.isoファイルのダウンロードは終わりましたが、Pop!_OSをインストールするにはもう少し準備が必要です。

ライブUSBメモリの作成

ライブUSBメモリとは、Linuxディストリビューションの.isoイメージが入ったUSBメモリのことで、これをパソコンに挿してインストールします。

作成方法は以下の記事で紹介しているので、そちらを参考にしてください。

WindowsでライブUSBメモリを作成する方法はこちら

LinuxでライブUSBメモリを作成する方法はこちら

BIOS・UEFIの設定

「USBメモリを挿したままパソコンの電源を入れたらエラーが出てWindowsが起動しなかった」という経験をWindowsユーザーの方は1度は体験したことがあるのではないでしょうか。

これは、パソコンが起動してからOSを起動させるために動作するBIOSやUEFIの設定が原因で、設定を変更しないとライブUSBメモリを使うことができません。

設定方法はBIOSとUEFIで違い、それぞれ別の記事で紹介しているので、そちらを参考にしてください。

BIOSの設定方法はこちら

UEFIの設定方法はこちら

なお、BIOSとUEFIの見分け方は
・画面がシンプルでマウスが使えなかったらBIOS
・画面がグラフィカルでマウスが使えたらUEFI
です。

Pop!_OSのインストール方法

インストールの準備が整ったら、いよいよインストールです。

まずは、パソコンの電源を切って、ライブUSBメモリをパソコンに挿して電源を入れます。

すると、ライブUSBメモリから起動し、言語選択画面が表示されるので、ここからインストール作業開始です。

言語選択画面で「日本語」を選択して「select」をクリック

インストール開始画面

「キーボードレイアウト」画面が表示され、「日本語」が選択されているので、「選択」をクリック

キーボードレイアウト画面

キーボードの種類を選択する画面が表示され、「デフォルト」が選択されているので、「選択」をクリック

日本語キーボードのタイプ設定

インストール方法を選択する画面が表示されるので、「クリーンインストール」を選択して「次へ」をクリック

インストール方法の選択画面

「ドライブを選択してください」という画面が表示されるので、インストールしたいドライブを選択して「削除してインストール」をクリック
(ドライブが1つしかない場合は1つしか選択肢は表示されないので、それを選択)

ドライブの選択画面

「ユーザーアカウントを作成」の画面が表示されるので、「フルネーム」と「ユーザー名」を入力して「次へ」をクリック
(ここでは、フルネームを「hippopotamus」、ユーザー名を「hippo」としています。)

ユーザーアカウントの作成画面

アカウントのパスワードを選択する画面が表示されるので、ログイン用のパスワードを2箇所に入力して「次へ」をクリック

パスワードの設定画面

「ドライブの暗号化」が開くので、暗号化をしたい場合は「暗号化」を、暗号化したくない場合は、「暗号化しない」をクリック
(今回は「暗号化しない」を選択)

ドライブの暗号化設定画面

インストールが始まるので、完了するまで待ちます。

インストール中の画面

インストールが完了すると「セットアップを続行」画面が表示されるので、「デバイスを再起動」をクリック

デバイスの再起動画面

ユーザー選択画面が表示され、先ほど作成したフルネームが表示されて選択されているので、「Ent」キーを押す

起動時のアカウント表示

パスワード入力画面が表示されるので、先ほど作成したパスワードを入力して「Ent」キーを押す

起動時のパスワード入力画面

Pop!_OSが起動して少したつと「Welcom to Pop!_OS」画面が開き、デスクトップのレイアウトの選択ができるようになるので、とりあえずそのまま「次へ」をクリック
(後でレイアウトは変更できます。)

デスクトップのレイアウト選択画面

「Configure the Top Bar」が開くので、とりあえずそのまま「次へ」をクリック
(画面の上にある「トップバー」と言われるバーの設定ですが、こちらも後で変更できます。)

トップバーの設定画面

「Open and Switch Applications from Launcher」が開くので、「次へ」をクリック
(Pop!_OSのランチャー機能の説明が表示されていますが、今はそのまま進みましょう。)

ランチャー設定画面

「Use Gestures for Easier Navigation」が開くので、「次へ」をクリック
(タッチパッドでのジェスチャー機能の説明が表示されています。)

タッチパッドの操作方法説明画面

ライトモードとダークモードの選択画面が開くので、お好みの方を選択して「次へ」をクリック
(ここではダークモードを選択しています。)

ライトモードとダークモードの選択画面

「プライバシー」画面が開くので、位置情報サービスを利用するかどうか選択して「次へ」をクリック
(ここでは位置情報サービスは利用しないようにしました。)

プライバシー設定画面

「タイムゾーン」画面が開くので、地図上の日本をクリックして「次へ」をクリック

タイムゾーン設定画面

「オンラインアカウントへの接続」画面が開くので、とりあえず「スキップ」をクリック

オンラインアカウントへの接続画面

「すべて終えました!」画面が開くので、「Pop!_OSを使い始める(S)」をクリック

すべて終えました!画面

これでインストールは完了ですが、トップバーの下に「System updates are available to install」というメッセージが表示されています。

ここをクリックするとシステムアップデートができるのでクリックします。

初期のデスクトップ画像

画面が切り替わるので、右上の三本線のボタンをクリック
メニューが表示されるので、「Updates & Installed Software」をクリック
(この画面は、Pop!_OSのアプリストアで「pop!_Shop」といいます。)

アップデート画面の起動画面

画面が切り替わるので、「Update All」をクリック
「Update All」の下に「Update」と表示されているアプリがアップデートされるので、終わるまで待つ
すると「Install」というボタンが残るので、このボタンをクリック

アップデート画面

「認証が必要です」画面が開くので、ログインパスワードを入力して「Ent」キーを押す

アップデート時のパスワード入力画面

「Install」ボタンが消えたら終了なので、右上の×ボタンをクリックしてpop!_Shopを終了させましょう。

終了するとトップバーの下にあった「System updates are available to install」というメッセージが消えます。

この状態がPop!_OSの初期状態のデスクトップです。

インストールとアップデートが完了したデスクトップ画像

これでPop!_OSが使えるようになりましたが、あと2つ最低限の設定が必要です。

次の章で設定方法を紹介しますので、もう少しお付き合いください。

Pop!_OSインストール直後の最低限の設定

ここまででPop!_OSのインストールとシステムアップデートは完了しましたが、あと2つ設定しましょう。

設定するのは、以下の2つです。

・Pop!_OSの日本語入力の設定
・ディレクトリ名を日本語表記から英語表記に変更

Pop!_OSの日本語入力の設定

Pop!_OSのインストールは完了しましたが、この状態だと日本語入力ができません。
このため、日本語入力の設定をしなくてはなりません。

日本語入力の設定手順は以下のとおり。

デスクトップの下にあるドックといわれる部分にある歯車マークの「設定」のアイコンをクリック

設定のアイコン

「設定」画面が開くので、左側のメニューをスクロールして「地域と言語」をクリック

設定の画面

「地域と言語」が開くので、「言語」の項目にある「インストールされている言語の管理」をクリック

設定の地域と言語画面

「言語サポートが完全にはインストールされていません」と表示がされるので、「インストール」をクリック

「認証が必要です」と表示されるので、ログインパスワードを入力して「認証」クリックするとインストールが開始される

インストールが完了したらパソコンを再起動する
(再起動はトップバーの一番右側の電源マークをクリックし、表示されたメニューから「電源オフ/ログアウト」をクリックするとさらにメニューが表示されるので、「再起動…」をクリックするとできる。)

再起動のメニュー画面

パソコンが再起動したら、再度「設定」を開いて左側のメニューから「キーボード」をクリック

再度の設定画面

「キーボード」画面が開くので、「入力ソース」の「anthy」の下にある「+」をクリック

キーボード画面の最初

「入力ソースを追加」が表示されるので、「日本語」をクリック

入力ソースの追加画面

日本語の種類が表示されるので、「日本語(Mozc)」をクリックして「追加」をクリック

Mozcの選択画面

すると、トップバーの一番右から4番目に「ja」と表示されるようになるので、「ja」をクリック
さらにメニューが表示されるので「日本語(Mozc)」をクリックすると「A」という表示に変わる

ドックにあるカラフルな四角が9つあるアイコンをクリックして「Show Applications」を開き、「テキストエディター」をクリックして「テキストエディター」を起動して適当に日本語入力して正常に入力できることを確認

テキストエディタで日本語入力の確認

最後に「キーボード」画面の「入力ソース」に追加された「日本語(Mozc)」をドラッグアンドドロップで一番上に移動したら設定完了です。

入力ソースの順番の入れ替え

ディレクトリ名を日本語表記から英語表記に変更

この時点で、ホームディレクトリにあるディレクトリの名前は日本語になっています。

ディレクトリ名が日本語の状態

このままだと、ターミナルでのディレクトリ操作でいちいち英語入力と日本語入力を何回も切り替えてやらなくなって面倒です。

ディレクトリ名を英語表記に変更しましょう。

まずは、ドックにある以下のアイコンをクリックしてターミナルを起動

ターミナルのアイコン

ターミナルに以下のコマンドを入力して「Ent」キーで実行

$ LANG=C xdg-user-dirs-gtk-update

なお、ターミナル上では以下のようになります。

ディレクトリの英語化コマンドを入力したときの画面

「Update standard folders to current Language?」という画面が表示されるので、下の方にある「Don’t ask me this again」にチェックを入れ、「Update Names」をクリック

ディレクトリ名を変更するかの問い合わせ画面

すると、先ほど日本語表記だったディレクトリ名がすべて英語表記に変わりました。

ディレクトリが英語表記になった画面

以上で、Pop!_OSの最低限の設定は完了です。

まとめ

今回は、NVIDIAのGPU搭載パソコンへのインストールにおすすめなPop!_OSの特徴とインストール方法を紹介しました。

Pop!_OSは、NVIDIAのGPUドライバに最初から対応した.isoイメージが用意されているため、もしあなたのパソコンがNVIDIAのGPU搭載のパソコンで他のディストリビューションがインストールできなかった場合でもインストールできるはずです。

見た目はWindows風ではないのでWindowsからの乗り替え一発目では使いづらそうに見えますが、実際に使うと簡単ですぐに使えるので、初心者にもおすすめです。

これからPop!_OSをインストールしようとしている方の参考になれば幸いです。

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